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営業を辞めたい…と思った時の対処法|辞める前に知っておくべきこと・退職後の手続きを徹底解説

営業の男性

「また月曜日か……」と憂鬱になったり、帰り道に「もう辞めたい」とつぶやいた経験はありませんか?営業職は業種を問わず多くの人が経験する職種ですが、その分、精神的・体力的な負荷も大きく、離職を考える人は少なくありません。

この記事では、営業を辞めたいと感じる主な理由から、辞める前に確認すべきこと、退職後に使える公的給付制度、そして転職先の選択肢まで、順を追って整理しています。感情だけで動いてしまう前に、一読することを推奨します。

営業を辞めたいと感じるのは珍しくない

まず知っておいてほしいのは、営業を辞めたいと感じていること自体、特別なことではないということです。

転職市場における営業職の離職の実態

厚生労働省が公表した雇用動向調査結果によると、2024年1年間の離職率は14.2%(前年比1.2ポイント低下)となっています。離職率そのものは落ち着いているものの、転職に伴う賃金が「増加」した割合は40.5%と過去10年で最高水準に達しており、転職市場そのものの活性化は続いています。

参考:「令和6年 雇用動向調査結果の概要」

また同調査の「転職入職者が前職を辞めた理由」では、「職場の人間関係が好ましくなかった」「労働時間・休日等の労働条件が悪かった」「給料等収入が少なかった」「仕事の内容に興味が持てなかった」といった理由が上位を占めており、これらはまさに営業職で多く聞かれる不満と重なります。

辞めたいという気持ちは、弱さでもわがままでもなく、多くの働く人が経験していることです。

営業を辞めたいと思う主な理由7選

「なぜ辞めたいのか」を言語化することは、次のステップを考えるうえでとても重要です。よくある理由を7つまとめました。

よくある理由 具体的な悩みの例
ノルマ・数字のプレッシャー 毎月の達成率に追われ、未達成時の詰めが辛い
給与・収入への不満 頑張っても固定給が上がらない、インセンティブ制度が不透明
職場の人間関係 上司のパワハラ気味な指導、チーム内の競争が激しすぎる
労働時間・休日の少なさ 残業・接待・土日の対応が常態化している
仕事内容への興味が持てない 商材に共感できない、ルーティンの電話営業に飽き飽きしている
体力・精神的な消耗 外回り・出張が多く体が限界、睡眠が取れていない
将来のキャリアへの不安 このまま営業を続けても、スキルが身につく気がしない

ノルマ・数字のプレッシャー

営業職の最大の特徴ともいえるのが、数値目標(ノルマ)の存在です。月末・期末になるたびに達成率を問われ、未達成が続くと上司からの詰めや評価の低下につながる。このサイクルが続くと、仕事そのものへの意欲が削がれていくのは当然のことです。

給与・収入への不満

「頑張っても給料が上がらない」という声も多く聞かれます。インセンティブ制度があるにもかかわらず、ルールが複雑だったり、基本給が低水準のままだったりすると、労働に見合った対価が得られていないという不満が積み重なります。

職場の人間関係・上司との関係

厚生労働省の調査では、20〜50代の男女ともに「職場の人間関係が好ましくなかった」が離職理由の上位に挙がっています。営業部門は個人の成績が可視化されやすいため、上司からの圧力や同僚との摩擦が生じやすい環境でもあります。

労働時間・休日の少なさ

顧客の都合に合わせた打ち合わせや接待、土日の対応など、プライベートとの境界が曖昧になりやすいのも営業の悩みのひとつです。「休んだ気がしない」という疲弊感が続くと、身体だけでなくメンタルにも影響が出てきます。

仕事内容への興味が持てない

取り扱う商品やサービスに共感できない、毎日同じようなトークスクリプトをこなすだけ——そんな状態では仕事のやりがいを見つけることが難しくなります。「なんのために働いているのか」という疑問が頭をよぎり始めたら、それは一つのサインかもしれません。

体力・精神的な消耗

外回りや出張の多さによる体力の消耗、日々断られ続けるストレスによる精神的な疲弊も、営業職特有の負担です。「疲れが取れない」「朝起きるのが辛い」という状態が続いているなら、体のサインを見逃さないようにしましょう。

将来のキャリアへの不安

「今の仕事を続けていて、10年後どうなっているんだろう」という漠然とした不安を持っている人も少なくありません。営業で積んだ経験はポータブルスキルとして高く評価されますが、本人がそれを実感できていないケースも多いです。

辞める前に確認すべき3つのこと

辞めたい気持ちが高まっているとき、焦って行動すると後悔するケースもあります。まず以下の3点を自分自身に問いかけてみましょう。

「職場環境」の問題か「営業職そのもの」の問題かを切り分ける

辞めたい理由が「今の職場・会社」にあるのか、「営業という仕事そのもの」にあるのかで、次のアクションは大きく変わります。

職場環境が原因の可能性が高い 営業職そのものが合わない可能性が高い
上司・同僚との関係が悪い 人と話すこと自体が苦痛
残業・休日出勤が常態化している ノルマ・目標管理自体が嫌
給与水準が業界平均と比べて低い 成果主義の評価制度が体質的に合わない
商材・業界に共感できない 物づくりや専門職への強い憧れがある

「職場環境」が原因なら同業他社・他部門への異動が解決策になることもあります。「営業職そのもの」が合わないと感じるなら、職種転換を視野に入れた転職活動が現実的です。

転職市場での自分の価値を確認する

転職を決める前に、まずは転職サイトや転職エージェントを使って、自分のスキルや経験が市場でどう評価されるかを把握しておきましょう。営業職は「対人折衝力」「課題解決力」「タスク管理能力」など、他職種でも活用できるスキルの宝庫です。在職中に調べるだけで、動くべきかどうかの判断がしやすくなります。

退職後の生活費・給付金を計算しておく

「辞めた後に生活できるか不安」という人は、雇用保険(失業給付)の受給額をあらかじめ試算しておくことをおすすめします。詳しくは後述しますが、2025年4月以降は自己都合退職でも給付開始までの待機期間が短縮されているため、以前より計画が立てやすくなっています。

営業を辞める際の基本的な手順

実際に退職を決めたら、どのように進めればいいのか。会社への申し出から退職後の手続きまで、基本的な流れを順番に紹介します。なお、在職中に転職活動をして次の職場が決まっている場合は、ステップ05の手続きは不要です。

01
退職の意思を固める
理由の整理・次の行動の検討
02
上司・人事へ報告
退職希望日の1〜2ヶ月前が目安
03
引き継ぎの実施
担当顧客・業務の引き継ぎ書を作成
04
退職書類の受け取り
離職票・源泉徴収票・年金手帳など
05
失業手当を申請する際
該当する場合のみ:ハローワークへ申請

会社への退職意思の伝え方

退職の意思を伝えるときは、まず直属の上司に口頭で報告するのが基本です。メールやLINEだけで済ませることは、できる限り避けましょう。伝える際は「一身上の都合」でも問題ありませんが、聞かれた場合は「キャリアチェンジを考えている」など、前向きな表現にとどめるのが無難です。

なお、民法上は退職の申し出から2週間後には退職できますが、就業規則で「退職の1〜2ヶ月前に申し出ること」と定めている会社が多いため、まず就業規則を確認しておきましょう。

退職のタイミングと注意点

転職先が決まっている場合は入社日から逆算して退職日を設定します。転職先が未定の場合は、退職後の給付制度(次章参照)を活用する前提で、生活費の目安を確認してから日程を決めましょう。退職後に空白期間が生まれると、健康保険・年金の切り替え手続きも必要になるため、退職日前後のスケジュールを確認しておくことが大切です。

退職後に使える給付制度(失業給付・雇用保険)

「辞めたいけどお金が心配」という人にとって、雇用保険(失業給付)の知識は非常に重要です。特に2025年4月の制度改正により、自己都合退職でもこれまでより早く給付を受けられるようになっています。

2025年4月改正|自己都合退職の給付制限が大幅に緩和

厚生労働省の発表では、令和7年4月以降に自己都合退職における失業給付のルールが大きく変わりました。

参考:「令和7年4月以降に教育訓練等を受ける場合、給付制限が解除され、基本手当を受給できます」

項目 2025年3月まで(変更前) 2025年4月以降(現行)
給付制限期間(原則) 7日間の待機+2ヶ月 7日間の待機+1ヶ月に短縮
教育訓練受講時 ハローワーク指示の場合のみ解除 自主受講でも給付制限が解除
5年内3回以上の自己都合退職 3ヶ月 3ヶ月(変更なし)
教育訓練給付金の給付率(専門実践)※2024年10月改正 最大70%(〜2024年9月) 最大80%(2024年10月〜)※2025年4月改正とは別

つまり、退職前の1年以内または退職後に厚生労働省が指定する教育訓練(リスキリング講座など)を受講していれば、7日間の待機期間を経るだけでほぼすぐに失業給付を受け取れるようになっています。転職に向けてスキルアップを考えている方にとっては、使い勝手の良い制度改正です。

失業給付を受けるための基本条件

失業給付(基本手当)を受給するには、以下の条件を満たす必要があります。

条件 内容
雇用保険の加入期間 離職前2年間に、被保険者期間が通算12ヶ月以上あること
就職の意思と能力 病気・けがではなく、すぐに働ける状態であること
積極的な求職活動 ハローワークへの求職登録のうえ、求職活動を行っていること
手続き先 住所を管轄するハローワーク(公共職業安定所)

給付日数の目安(自己都合退職・一般受給資格者の場合)

給付日数は年齢と雇用保険の加入期間(おおむね勤続年数)によって決まります。自己都合退職の場合の目安は以下のとおりです。

加入期間(勤続年数の目安) 所定給付日数(年齢問わず共通)
1年以上5年未満 90日
5年以上10年未満 90日
10年以上20年未満 120日
20年以上 150日

たとえば、30代で勤続8年の方が自己都合退職した場合、90日分の基本手当を受け取れます。1日あたりの支給額は退職前6ヶ月の平均賃金をもとに計算されるため、月収が高いほど受給額も上がります。なお、具体的な金額や日数はハローワークで確認することをおすすめします。

退職後、まず行うべきなのはハローワークへの届け出です。離職票を受け取ったら、住所地を管轄するハローワークに持参し、求職申込を行います。その後の失業認定日(4週間に1度)に認定を受けることで、給付が開始されます。詳細な手続きはハローワーク公式サイト、または最寄りの窓口で確認できます。

また、退職後は健康保険と国民年金への切り替えも必要です。健康保険は「任意継続」か「国民健康保険への加入」かを選ぶことになるので、保険料の比較をしたうえで選択しましょう。

営業を辞めた後のキャリアの選択肢

「営業以外に何ができるのか」という不安を感じている方も多いですが、営業職で積んだ経験は他の職種でも十分活かせます。

営業スキルが活かせる職種

職種 営業経験が活きるポイント こんな人に向いている
マーケティング 顧客ニーズの把握・提案経験 データ分析や企画に興味がある
カスタマーサクセス 顧客折衝・課題解決のスキル 人と関わりながら成果を出したい
採用・人事 対話力・信頼関係の構築力 人の成長支援に関わりたい
コンサルタント ヒアリング力・提案力 論理的思考・問題解決が好き
事業企画・経営企画 現場感覚・数字への感度 会社全体の戦略に携わりたい

未経験からでも転職しやすい職種

営業の経験とは少し離れて、まったく新しいフィールドに飛び込む選択肢もあります。以下はポテンシャル採用が比較的多く、未経験でも目指しやすい職種です。

職種 特徴・取り組みやすい理由
ITエンジニア(未経験可) スクール・独学でスキルを習得すれば転職市場に需要大。リモートワーク可能な求人も多い
Webマーケター SNS運用・SEO・広告運用など、独学でも学べる領域が広い
事務・総務・経理 安定した就労環境を求める人に。資格取得でさらに転職しやすくなる
公務員 年齢制限のある試験が多いが、安定性と休日の多さは業種トップレベル

退職・転職活動を進める上で知っておきたいこと

最後に、実際に行動を起こすにあたって押さえておきたいポイントをまとめます。

よくある疑問 ポイント
辞める前に転職先を決めるべき? 在職中の転職活動が基本。ただしメンタルへの負荷が高い場合は先に退職し、給付制度を活用しながら活動する選択肢もある
退職を引き止められたらどうする? 意思が固まっているなら、待遇改善の提案に流されないことが大切。感情的にならず、退職日を明確に伝える
退職理由は何と伝えればいい? 社内では「一身上の都合」で問題なし。転職先の面接では「キャリアアップのため」など前向きな表現にまとめる
失業給付は必ずもらえる? 雇用保険に12ヶ月以上加入していれば、条件を満たす限り受給可能。まずハローワークで確認を!
会社が退職を認めてくれない場合は? 民法上は申し出から2週間で退職は有効。どうしても難しい場合は退職代行サービスの利用も法的に認められている

まとめ

退職という行動には、感情だけでなく情報と準備が必要です。給付制度の活用や転職先の選定を並行して進めることで、焦らず次のステップに進みやすくなります。

「離職後の生活が不安」「失業給付をうまく活用したい」「しばらくはゆっくり療養しながら休みたい」という方は、1人で決断する前に、「社会保険給付金サポートへ」相談するのも一つの方法です。

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萩原 伸一郎の画像

この記事の監修者

萩原 伸一郎

CREED BANK株式会社

ファイナンシャルプランナー(FP)資格を持ち、東証一部上場企業に入社。資産形成、資産運用、個人のライフプランニングなどを経験。これまでに10,000名以上の退職後のお金や退職代行に関する相談などを対応した経験から、社会保険や失業保険についてわかりやすく解説。

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