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退職後の就労移行支援について|利用条件・失業保険との関係・手続きの流れを解説

退職後の就労移行支援について

退職後に就労移行支援の利用を考えている方に向けて、この記事では制度の基本・対象となる条件・利用料・失業保険との関係・通所開始までの手続きの流れをまとめて解説します。

就労移行支援は障害者総合支援法にもとづく福祉サービスで、障害や難病を抱えながら一般企業への就職を目指す方を支援する制度です。退職直後で収入がない状態での通所になるケースも多いため、失業保険や障害年金などお金の面についても合わせて整理しています。

障害者手帳を持っていない方(うつ病・適応障害・発達障害など)が使えるかどうかについても説明しているので、参考にしてください。

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そもそも退職後に就労移行支援は使える?

退職した後でも、就労移行支援は利用できます。就労移行支援は「いま働いている人向け」のサービスではなく、障害や難病を抱えながら一般企業への就職を目指す人を支援するための福祉サービスなので、退職の前後は問われません。

ただし、利用できるかどうかは退職の有無ではなく、障害・年齢・就労意欲といった一定の条件を満たしているかどうかで判断されます。この記事では、退職後に就労移行支援を使いたいと考えている方に向けて、制度の基本から手続きの流れ、生活費の確保方法まで順番に整理していきます。

就労移行支援とはどんな制度か

就労移行支援は、厚生労働省「障害者の就労支援対策の状況」にも示されているとおり、障害者総合支援法にもとづく就労系障害福祉サービスのひとつです。一般企業に雇用されることを希望する障害者に対し、就労に必要な知識やスキルの習得、求職活動のサポート、就職後の職場定着支援などを提供します。

サービスを提供するのは「就労移行支援事業所」と呼ばれる施設で、全国に3,000か所以上あります。事業所に通所しながら、ビジネスマナーやパソコンスキルの訓練、模擬面接、就職活動のサポートなどを受けることができます。

利用できる人の条件

就労移行支援を利用するには、大きく次の3つの条件を満たす必要があります。

条件 内容
年齢 原則18歳以上65歳未満(※平成30年4月以降、要件を満たせば65歳以上も利用可)
障害・疾患 身体障害・知的障害・精神障害・発達障害・難病など
就労意欲 一般企業への就職を希望していること

よく誤解されるのが「障害者手帳がないと使えない」という点です。実際には、手帳がなくても主治医の診断書や意見書があれば自治体の判断で利用が認められるケースがあります。うつ病・適応障害・発達障害などで手帳を取得していない方でも、まずは相談してみることをおすすめします。

対象となる主な障害・疾患の例

区分
精神障害 うつ病、双極性障害、統合失調症、適応障害、不安障害、発達障害(ASD・ADHDなど)
身体障害 聴覚障害、視覚障害、肢体不自由、内部障害(心臓・腎臓・てんかんなど)
知的障害 軽度〜中度の知的障害など
難病 多発性硬化症、潰瘍性大腸炎、クローン病、筋ジストロフィーなど(厚生労働省の指定難病に準拠)

退職後に就労移行支援を使う3つのメリット

1. 就職に必要なスキルをゼロから身につけられる

就労移行支援事業所では、ビジネスマナー・コミュニケーション訓練・パソコン操作・作業訓練など、就職に向けた実践的なプログラムを受けることができます。退職後にブランクがある方でも、自分のペースで段階的にスキルを積み上げていける点が強みです。

2. 就職活動全体をサポートしてもらえる

履歴書の書き方、面接練習、求人の探し方、障害者雇用枠への応募など、就職活動に関わる一連の流れを専門スタッフと一緒に進めることができます。ひとりで求職活動をするよりも、確実に準備を整えながら前に進めます。

3. 就職後も最長3年間の定着支援が受けられる

就労移行支援事業所を通じて就職した場合、「就労定着支援」というサービスを最長3年間利用することができます。就職してからも継続的に相談ができるため、入職後の不安やトラブルを早めに解消しやすくなります。

退職後の生活費はどうする?失業保険との関係を整理

就労移行支援を利用している期間は、基本的に給与や工賃は発生しません。退職直後で収入がない中、事業所に通い続けるのは金銭面でハードルが高いと感じる方も多いでしょう。ここでは、退職後に活用できるお金の制度を整理します。

失業保険(雇用保険の基本手当)を受けながら通所できる

結論から言うと、失業保険を受給しながら就労移行支援事業所に通うことができます。ただし、失業保険を受け取るためには、次の条件をすべて満たす必要があります。

条件 内容
雇用保険の加入期間 退職前の1年間に6か月以上(就職困難者の場合)
失業状態であること 現在無職で、就職の意思と能力があること
ハローワークへの申し込み 求職の申し込みをしていること

「就職困難者」として認定されると給付日数が延長される

障害や疾患のある方がハローワークで失業保険の手続きをすると、「就職困難者」として認定されることがあります。就職困難者に認定されると、通常の受給者よりも給付日数が大幅に長くなります(例:年齢・加入期間によって最大300日まで延長)。これにより、就労移行支援で時間をかけて準備しながら、じっくりと求職活動を進めることができます。

なお、障害者手帳がない場合でも、医師の診断書を提出することで就職困難者として認められるケースがあります。詳細はお近くのハローワークに相談してみてください。

失業保険以外に活用できる制度

失業保険の対象にならない方や、受給期間が終わってしまった方でも、以下のような制度が利用できる可能性があります。

制度 概要
障害年金 障害の状態に応じて支給される公的年金。失業保険との同時受給も可能
国民年金保険料の免除 退職・離職を理由とした特例免除制度あり。所得要件を問わず申請できるケースも
国民健康保険料の軽減 会社都合退職(非自発的離職)の場合、退職翌日から2年間、保険料の大幅な軽減を受けられる
生活保護 収入・資産が一定以下の場合に生活費が支給される。就労移行支援との併用可

就労移行支援の利用料はいくらかかる?

厚生労働省「障害者の利用者負担」によると、就労移行支援を含む障害福祉サービスの利用料は、前年度の世帯収入(本人と配偶者の収入)に応じて4段階の負担上限月額が設定されています。

区分 世帯の収入状況 負担上限月額
生活保護 生活保護受給世帯 0円
低所得 市町村民税非課税世帯 0円
一般1 市町村民税課税世帯(所得割16万円未満) 9,300円
一般2 上記以外 37,200円

ここで重要なのが「世帯」の範囲です。就労移行支援の利用料を計算する際の「世帯」は、本人と配偶者の収入のみが対象となります。実家暮らしであっても、親の収入は含まれません。

退職直後は収入がゼロまたは大幅に減少しているため、前年度の課税状況によっては「低所得」に該当し、利用料が無料になるケースが多くなります。実際に、就労移行支援を利用する方の約9割は0円で利用しているとされています。

退職後に就労移行支援を利用するまでの流れ

就労移行支援の利用を始めるまでには、いくつかのステップがあります。流れを把握しておくと、スムーズに動くことができます。

ステップ 内容
1. 相談・情報収集 市区町村の障害福祉窓口や、気になる事業所に問い合わせて相談する
2. 見学・体験利用 実際に事業所を訪問し、プログラムや雰囲気を確かめる(多くの事業所で無料体験が可能)
3. 利用申請 市区町村の障害福祉窓口に「障害福祉サービスの支給申請」を提出する
4. 受給者証の交付 審査・認定を経て、就労移行支援の「受給者証」が交付される(目安:数週間〜1か月程度)
5. 利用契約・通所開始 事業所と契約を結び、通所をスタートする

事業所選びに迷う場合は、複数の事業所を見学・体験してから決めることが一般的です。通所頻度や支援内容、雰囲気は事業所によってかなり異なるため、自分の体調やペースに合ったところを選ぶことが重要です。

よくある質問

退職の理由は審査に影響しますか?

就労移行支援の審査において、退職理由は原則として問われません。自己都合退職・会社都合退職・体調不良による退職など、どのような理由であっても、障害・年齢・就労意欲の条件を満たしていれば申請することができます。

うつ病・適応障害でも利用できますか?

利用できます。うつ病・適応障害・双極性障害などの精神疾患は、就労移行支援の対象となる障害に含まれています。障害者手帳を持っていない場合でも、主治医の診断書・意見書があれば自治体の判断で利用が認められるケースがあります。まずは主治医や市区町村の窓口に相談してみましょう。

退職後すぐに申し込めますか?

退職後すぐに申し込むことは可能ですが、療養中で体調が安定していない場合は、主治医と相談しながらタイミングを判断するのが現実的です。利用開始に向けた準備(見学・体験・申請)は、体調が許す範囲で少しずつ進めていくことができます。

利用期間はどのくらいですか?

就労移行支援の標準利用期間は2年間です。ただし、就職活動が長引いている場合など、必要性が認められれば最大1年間の延長が可能です。2年という期間を意識しながら、早めに通所を始めて準備期間を十分に確保することが大切です。

退職後の給付金についても、あわせて確認しておこう

就労移行支援の準備と並行して、退職後に受け取れる可能性のある給付金についても早めに把握しておくことをおすすめします。雇用保険の失業給付はもちろん、傷病手当金の受給状況、障害年金の申請可否など、退職のタイミングや状況によって受けられる給付の種類や金額は変わってきます。

「どんな給付が受け取れるか自分では判断しにくい」という方は、退職後の給付金申請をサポートする専門サービスを活用するのも一つの手です。退職コンシェルジュでは、退職後に受け取れる可能性のある給付金について、無料相談から申請サポートまで対応しています。

就労移行支援の利用と合わせて、まず自分が受け取れる給付金を確認することから始めてみてください。

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