2026.01.06
傷病手当金について
テーマ:
退職して国民健康保険に切り替えたあとも傷病手当金はもらえる?注意点も解説

病気やけがが原因で仕事を休み、傷病手当金を受け取りながら退職する。
この状況になると、まず健康保険をどうするかで迷う人が多いと思います。
中でもよく聞くのが、国民健康保険に切り替えた場合の扱いです。
国保に入ると、傷病手当金はもうもらえないのではないかというような不安を感じている方も少なくありません。
この記事では、その点を整理していきます。
また、傷病手当金は社会保険給付金という名称で呼ばれるケースもあります。
申請方法については下記の記事も参考にしてみてください。
参考:社会保険給付金とは?申請方法や申請場所、必要書類などを解説
社会保険給付金サポートのお問い合わせはこちら▼
傷病手当金をもらったまま退職するとどうなる?
病気やけがで仕事を休み、傷病手当金を受け取っている状態で退職する。
この状況になると、多くの人が同じところでつまずきます。
退職したら傷病手当金は止まるのか。
国民健康保険に入ったら、もう対象外になるのか。
検索しても情報がバラバラで、余計に不安になる人も少なくありません。
先に結論をまとめると、条件を満たしていれば、退職後でも傷病手当金は受け取れます。
国民健康保険に切り替えたからといって、すぐに止まるわけではありません。
退職後でも傷病手当金はもらえるのか
結論から言うと、退職後でも傷病手当金を受給できるケースはあります。
ポイントは、「退職したかどうか」ではありません。
判断されるのは、退職した時点で、すでに傷病手当金の条件を満たしていたかどうかです。
傷病手当金は、健康保険に加入している間に発生した「権利」に基づいて支給されます。
そのため、在職中に病気やけがで働けなくなり、すでに支給要件を満たしていれば、退職後も「継続給付」として扱われます。
傷病手当金の継続給付とは
退職後の傷病手当金は、一般的に「継続給付」と呼ばれます。
これは、退職後に新しく何かの制度に加入してもらうものではありません。
あくまで、退職前に加入していた健康保険からの給付が、そのまま続くという考え方です。
つまり、退職後に国民健康保険へ切り替えたとしても、
「どこから傷病手当金が出ているのか」は変わらない、ということです。
「国保に入ると支給が止まる」と思われがちな理由
国民健康保険には、傷病手当金の制度がありません。
この事実だけを見ると、
国保に入る=傷病手当金はもらえない
と考えてしまいがちです。
ですが、退職後に受け取る傷病手当金は、国民健康保険の制度ではなく、退職前の健康保険組合からからの継続して支給されるものです。
そのため、国民健康保険に加入したこと自体が傷病手当金の支給停止の理由になることはありません。
退職後に加入する保険より「退職のタイミング」が一番重要
退職後でも傷病手当金を受け取れるかどうかは、
退職日より前から、労務不能の状態だったかどうかで決まります。
具体的には、
- 退職日より前に病気やけがで働けなくなっている
- 連続3日間の待期期間が完成している
- 退職日に出勤していない
この条件を満たしている必要があります。
逆に言うと、退職してから初めて体調を崩した場合、
国民健康保険には傷病手当金の制度がないため、新たに受給することはできません。
この違いを理解していないと、
条件を満たせずに税度の対象外になることがあります。
国民健康保険に切り替えると何が変わるのか
退職すると、会社の健康保険は使えなくなります。
そのため、退職後は国民保険か任意継続か、「次に加入する健康保険」を選ぶことになるのが一般的です。
この切り替えによって「何が変わるのか」が分かりにくいところですが、変わるポイントとしては、医療保険の扱いです。
会社の健康保険ではなく、都道府県および市区町村が運営する国民健康保険に加入することになります。
これにより、保険証の発行元や保険料の計算方法が変わります。
国民健康保険料は、原則として前年の所得をもとに計算されます。
そのため、退職後に収入が減っていても、
すぐに保険料が下がらないケースがあります。
なお、傷病手当金そのものは所得ではないため、
それが理由で国民健康保険料が上がる、という仕組みではありません。
なお、国民健康保険には、新たに傷病手当金が発生する制度はありません。
つまり、退職後の国民保険加入中に初めて病気やけがで働けなくなった場合、
国民健康保険から傷病手当金が支給されることはありません。
任意継続にすると何が変わるのか
退職後の健康保険として、もう一つの選択肢が任意継続です。
これは、退職前に加入していた会社の健康保険を、最長2年間そのまま使い続ける制度です。
任意継続にすると、保険証や医療機関での扱いは、在職中とほぼ変わりません。
医療費の自己負担割合も同じで、制度上の使い勝手が変わらない点が特徴です。
一方で、保険料の扱いは変わります。
在職中は会社が負担していた分も含めて、保険料は全額自己負担になります。
そのため、退職前の給与が高かった場合、負担が重く感じることがあります。
傷病手当金については、任意継続にしたかどうかで扱いが変わることはありません。
退職時点ですでに傷病手当金の条件を満たしていれば、
任意継続を選んでも、退職後の継続給付として支給は続きます。
ですが、退職前に加入していた組合への継続加入とはいえ国民保険同様に退職後新たに傷病手当金の申請を行うことはできないため注意しましょう。
扶養に入ると何が変わるのか
配偶者や親などが会社の健康保険に加入している場合、
その扶養に入るという選択肢もあります。
扶養に入ると、自分で健康保険料を支払う必要がなくなります。
この点は、退職後の負担を考えるうえで、大きな違いになります。
ただし、扶養に入れるかどうかは、
収入の金額や継続性などをもとに、各健康保険の判断で決まります。
傷病手当金を受給している場合でも、
それが「収入」としてどう扱われるかは、保険者ごとに判断が分かれます。
なお、扶養に入った場合でも、
退職前から続いている傷病手当金の扱い自体が変わるわけではありません。
あくまで、健康保険の立場が変わるだけで、
傷病手当金は退職前の健康保険からの給付として支給されます。
まとめ
退職後、健康保険の切り替えは避けられません。
- 国民健康保険に入る
- 任意継続にする
- 家族の扶養に入る
どれを選んだとしても、
それだけで傷病手当金が止まることはありません。
傷病手当金が続くかどうかは、
あくまで「退職時点の状態」で決まります。
この点を理解していれば、
傷病手当金の支給について不安にならず、退職後に適切な選択肢を選ぶことができます。
まずは「自分は退職前から働けない状態だったか」という点から確認してみましょう。
また、退職後に傷病手当金の申請はこれまで会社の人事が行っていた申請作業を全て自分一人で完結する必要があります。
在職中とは異なりかなり複雑化するため、社会保険給付金サポートの利用も検討してみて下さい。
社会保険給付金サポートのお問い合わせはこちら▼
この記事の監修者
萩原 伸一郎
ファイナンシャルプランナー(FP)資格を持ち、東証一部上場企業に入社。資産形成、資産運用、個人のライフプランニングなどを経験。これまでに10,000名以上の退職後のお金や退職代行に関する相談などを対応した経験から、社会保険や失業保険についてわかりやすく解説。
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