2023.01.06
転職・再就職について
就労移行支援って何?
精神疾患を抱えているけれど、いずれは一般企業で働きたいと思っている方もいることでしょう。しかし、精神疾患は“疲れやすい”、“ストレスを溜めやすい”などの特徴があります。そのため、いきなり就職するのは何かと不安ですよね。ただ、過度な心配は必要ありません。そのような方のために、一般企業への就職をサポートしてくれる「就労移行支援」というサービスが存在するからです。
ここでは、就労移行支援の特徴を解説し、サービスを受けている間の経済的な問題を緩和するために利用できる障害年金などの制度についても、あわせてご紹介します。
就労移行支援とは?どんなことをしてくれる?
就労移行支援とは、一般企業への就職を希望している障害者に対して、仕事の技術や技能の訓練や、人とのコミュニケーションの図り方や履歴書の書き方、面接の対応などについての支援を行う事業のことです。また、支援は利用者が企業に就職するまでだけではなく、就職後もスタッフが職場訪問をしたり、仕事上での悩みを聞いたりと総合的にサポートします。
利用期間は、原則2年となっていますが、個人の熟練度によっては6ヶ月や1年でサービスを終え、企業に就職するケースもあります。また、就職をしたけれど自分に合わなかったので退職した場合などは、2年以内であればサービスを再利用することもできますし、何かしらの事情があり、自治体が必要だと認めた場合は1年延長し、最長で3年の訓練を受けることも可能です。ただし、3年に延長できるかどうかは自治体の判断により異なりますのでご注意ください。
就労移行支援は、全国に3000を超える事業所があると言われており、自治体に申請し、障害福祉サービス受給者証が交付されれば、希望する事業所に通うことが可能になります。しかし、事業所によって実施している訓練などが異なることから、自分に合った場所を見つけることが大切です。そのため、事前に市役所などで情報収集をしたり、実際に見学や体験入所に行ったりしてみることをおすすめします。
就労移行支援のサービスを利用できる対象者について
就労移行支援のサービスは、障害を抱えていれば誰でも受けることができるわけではありません。利用するには、下記の条件に当てはまっている必要があります。
- 一般企業で働くことを希望しており、その見込みが期待できる人
- 精神疾患を始めとする身体障害や知的障害などを持っている人で、原則的に障害者手帳を交付されていること
(障害者手帳を持参していることで手続きがスムーズに進むことが多いですが、持参していない場合でも医師や自治体に認められれば、サービスの利用が可能です。) - 18歳以上65歳未満の人
(原則的に年齢は65歳未満までとされています。しかし、65歳以上であっても65歳に達するまでの5年の間に障害福祉サービスに関する支給の決定を受けており、65歳になる前日に就労移行支援の支給決定を受けていた人は例外となります。) - 現在、離職中の人
就労移行支援を利用するには、利用料が必要
就労移行支援は、利用者を一般企業に就職させるための訓練の場となりますので、福祉サービスの一環に含まれます。そのため、利用者は利用料を払わなければなりません。利用料は利用者自身が1割の負担となっており、残りの9割は国と自治体が負担することとなっています。ただし、世帯所得において利用料の負担の上限額が決まっていますので、世帯状況によっては負担額が異なる可能性があります。世帯の負担額の上限は、以下のとおりです。
生活保護世帯 → 負担上限額0円で、利用料はかかりません。 |
市町村民税非課税世帯(障害基礎年金1級受給世帯または収入が300万円以下の世帯) → 負担上限額0円で、利用料はかかりません。 |
市町村民税課税世帯(収入が600万円以下の世帯) → 負担上限額が月に9,300円までとなります。 |
それ以外の世帯 → 負担上限額が月に37,200円までとなります。 |
また、ここでいう「世帯」とは、18歳以上の障害者の場合は、障害のある人とその配偶者が範囲の対象となっています。そのため、実際に自己負担による利用料を払う人は少なく、8~9割が利用料0円でサービスを受けることができていると言われています。
経済的負担を軽減するためには障害年金や生活保護も視野に入れる
就労移行支援のサービスを受けながら一般企業への就職を目指すことは、とても意義のあることです。しかし、サービスを受けている間は訓練に専念をする必要があるため、アルバイトなどを行うことは禁止とされています。ただ、収入がないゆえに日常生活を送るのが困難に感じる人もいることでしょう。
障害を持つ人が経済的負担を軽減するためには、障害年金や生活保護を受給するという方法が用意されています。障害年金は障害の程度によって現金が給付されますし、土地や家屋を所有しておらず、親族からの支援も期待できない場合などは、世帯状況に合わせた金額で生活保護を受けることも可能です。また、障害を持っていることで、世帯の所得税や住民税、相続税が控除される障害者控除の対象にもなりますので、家計の負担が緩和されることでしょう。さらに、障害年金受給の程度には当てはまらなくても、一定の基準を満たしていれば障害手当金という一時金を受け取れる可能性もあります。
退職コンシェルジュでは、個人で申請をするには手間と労力がかかる、障害年金や生活保護の申請代行を行っています。社会保険関連のプロである、社会保険労務士や生活保護を専門とする行政書士がサポートしますので安心です。相談は無料でできますので、経済的な面で不安を抱えている方は、ぜひお問合せください。
まとめ
障害を持っていると、「上手く企業で働くことができるだろうか?」「就職後も相談にのってくれる人がいるだろうか?」などと数多くの不安を抱えてしまうものです。しかし、就労移行支援のサービスを利用することで、それらの悩みは少しずつ軽減していくことでしょう。自分に合った就労移行支援事業所を見つけ、経済的な面に問題がある場合は障害年金などの受給も受けながら、安心感を持って進んでいけると良いですね。
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