2025.11.07

社会保険について

社会保険給付金とは?申請方法や申請場所、必要書類などを解説

社会保険給付金の申請用紙を確認する男性

社会保険給付金は、失業や病気、怪我などで働けなくなった際に生活を支える重要な制度です。しかし、どこで申請すればよいのか、どのような書類が必要なのかなど、不明点も多いのではないでしょうか。

本記事では、社会保険給付金の申請方法や必要書類、注意点などを詳しく解説します。失業保険や傷病手当金を中心に、スムーズな申請手続きのポイントをお伝えしますので、ぜひ参考にしてみてください。

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この記事の監修者

杉山 雅浩

スピネル法律事務所 弁護士

東京弁護士会所属。
池袋中心に企業顧問と詐欺被害事件に多く携わっています。
NHKやフジテレビなど多くのメディアに出演しており、
詐欺被害回復などに力を入れている個人に寄り添った弁護士です。

YouTubeの他、NHK、千葉テレビ、日本テレビ、東海テレビ、FM西東京、フジテレビ、共同通信社、時事通信社、朝日新聞、朝日テレビ、読売新聞、日本経済新聞、毎日新聞、TBS、CBCテレビ、名古屋テレビ、中日新聞その他数多くのネット記事、週刊誌多数のメディアに取材されたり、AbemaTV、NHKスペシャル、クローズアップ現代、バイキングモア、おはよう日本、など有名番組に出演してます!

社会保険給付金とは?

社会保険給付金とは?

社会保険給付金は、社会保険に加入している人が、離職や病気、怪我などによって収入が得られない場合に申請できる給付金の総称です。

ここでは、社会保険給付金の主な種類と、「失業保険」と「傷病手当金」とは何かを解説します。

社会保険給付金にはどのような種類がある?

社会保険給付金は社会保険に関する給付金の総称で、さまざまな種類が含まれます。狭義の社会保険である「健康保険」「年金保険」のほか、労働保険の一つである「雇用保険」について、どのような給付金があるのかを下の表にまとめました。

保険制度の種類

給付金の種類

健康保険

傷病手当金、高額療養費、出産手当金、出産一時金、療養費など

年金保険

老齢年金、障害年金、遺族年金

雇用保険

失業保険(基本手当)、高年齢求職者給付金、高年齢雇用継続給付金、特例一時金、教育訓練給付金、育児休業等給付金、介護休業給付金など

各給付金によって、申請条件や受給期間などはそれぞれ異なります。例えば、傷病手当金は同一傷病について最長1年6か月間受給可能で、失業保険と合わせると最長で28か月間(45歳以上は30か月間)受給できる可能性があります。

ただし、失業保険には年齢制限があります。28か月もしくは30か月の失業保険を受給するためには、退職日時点で65歳未満でなければいけません。

失業中で求職活動する際にもらえるのは失業保険

失業保険とは、退職後に求職活動する期間中の生活を安定させるための支援が受けられる雇用保険の給付金制度です。正しくは、雇用保険の基本手当のことを指しますが、一般的には「失業保険」「失業手当」と呼ばれています。

雇用保険の給付金であるため、受給には雇用保険に一定期間以上加入していることが条件です。受給条件について、後ほど詳しく解説します。

在職中や退職後にもらえるのは傷病手当金

傷病手当金とは、健康保険の被保険者が病気やケガで一定期間以上働けないときに支給される健康保険の給付金制度です。

ただし、業務外の病気やケガに限る。業務中や通勤中の病気やケガの場合は、雇用保険ではなく労災保険の給付対象です。

また、自営業や無職の人が加入する国民健康保険には傷病手当金の給付がありません。原則として、会社の健康保険に加入している人が対象です。

社会保険給付金の申請条件

ここからは、実際に失業保険と傷病手当金を申請するときの具体的な条件を紹介します。

失業保険の申請条件

失業保険は退職後、再就職するまでの間にもらえる給付金ですが、失業中なら誰でも受給できるものではありません。主に以下の条件を満たすと受給申請できます。

失業状態にある
原則として離職日以前の2年間に雇用保険の被保険者期間が12か月以上ある

「失業状態にある」とは、就職しようとする積極的な意思があり、いつでも就職できる能力があるにもかかわらず、努力しても職業に就けていない状態のことです。

上記を満たしたうえで、ハローワークに来所して求職の申込みを行うことで受給資格を得られます。

傷病手当金の申請条件

傷病手当金は、以下の条件を満たす場合に申請できます。

  • 業務外の病気やケガの療養のための休業である
  • 仕事に就くことができない
  • 連続する3日間を含む4日以上仕事に就けない
  • 休業した期間に給与の支払いがない

 

業務上や通勤中の病気やケガは労災保険が対象です。また、美容整形など病気とみなされないものは傷病手当の対象外となります。

「連続する3日間を含む4日以上」には、有給休暇や土日祝日などの公休日も含まれ、給与の支払いがあったかどうかは問われません。例えば、療養のため金曜日に有給休暇を使って仕事を休み、土日が公休日で、月曜日も続けて休業する場合などが該当します。

社会保険給付金の申請方法

社会保険給付金の申請窓口の様子

ここからは、雇用保険の給付金である失業保険と、社会保険給付金である傷病手当金の申請方法について解説します。

失業保険を申請する流れ

失業保険の申請は以下の手順で進めます。

1.失業保険受給に必要な書類を用意する
2.ハローワークで失業保険の申請をする
3.失業保険の受給説明会に参加する
4.失業認定日にハローワークに行く

必要書類を揃えてハローワークに提出した後、受給資格の確認と受給説明会に参加しなければなりません。説明会では、失業認定日や給付金額などの重要事項が説明されます。その後は、定期的な失業認定日にハローワークに出向き、求職活動状況を報告することで給付金を受け取ることができます。

傷病手当金を申請する流れ

傷病手当金を申請する流れは、以下のとおりです。

1.健康保険の切り替え選択と年金の免除申請をする
2.以前所属していた保険組合から傷病手当金の申請用紙を受け取る
3.申請用紙を以前の勤務先や通院している病院で記入してもらう
4.申請用紙を保険組合に提出する
5.ハローワークで失業保険の受給期間延長の申請をする

健康保険の切り替えと年金免除の手続きを行った後、申請用紙を入手し、必要事項を勤務先や通院している病院に記入してもらいます。記入済みの申請書を保険組合に提出し、最後にハローワークで失業保険の受給期間延長を申請すれば終了です。

傷病手当金の申請方法について詳しく知りたい方は、以下の記事もご確認ください。
参考:傷病手当金をもらえないケースとは?会社が嫌がる理由や対処法・申請方法も紹介

社会保険給付金の必要書類

社会保険給付金の申請書類えお確認する女性

社会保険給付金の必要書類は、その種類によって異なります。失業保険と傷病手当金の2種類についてそれぞれみていきましょう。

失業保険の申請に必要な書類

失業保険を申請する際には、以下の書類を用意しなければなりません。

  • 雇用保険被保険者離職票
  • 個人番号確認書類
  • マイナンバーカードや運転免許証、運転経歴証明書などの身元確認書類
  • 写真2枚
  • 本人名義の預金通帳、またはキャッシュカード

参考:ハローワークインターネットサービス|雇用保険の具体的な手続き

雇用保険被保険者離職票は前職の会社から受け取ります。個人番号確認書類と身元確認書類は必ず持参してください。写真は受給資格者証に貼付するため、規定サイズのものが必要です。給付金の振込先となる本人名義の口座情報も忘れてはいけません。

上記の必要書類書類をすべて揃えてハローワークに提出しましょう。

傷病手当金の申請に必要な書類

傷病手当金の申請に必要な書類は、主に健康保険傷病手当金支給申請書です。この申請書は保険組合によって枚数が異なります。被保険者、事業主、療養担当者に分かれている場合は、合計4枚の提出が必要です。

申請者の状況によっては、追加の添付書類が必要になることもあります。例えば、傷病の原因が交通事故や喧嘩の場合は「第三者行為による傷病届」、被保険者が死亡して相続人が請求する場合は「戸籍謄本」などが必要となります。申請前にご自身の状況に応じた必要書類を確認し、漏れなく準備しておくことが重要です。

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社会保険給付金をもらうメリット

社会保険給付金は、収入が途絶えたり減ったりしたときに生活の支えとなる給付金です。生活費を確保できることで、さまざまなメリットがあります。

ここでは、社会保険給付金をもらうメリットを3つ解説します。

失業中や休職中でも収入が得られる

社会保険給付金をもらうことで、働けない状況でも収入を得られることがメリットです。

ケガや病気で働けない場合は、収入が途絶えたり不安定になったりします。社会保険給付金を受給できれば、失業中や休職中の生活費を確保できるようになり、精神的な負担を減らせます。

転職活動や治療のための時間を確保できる

収入が安定することで、転職活動や病気やケガの療養のための時間を確保できることもメリットの一つです。

収入が減り生活が不安定になると、転職活動や療養に集中できず、結果的に失業期間や療養期間が延びる原因になります。給付金を受給することで、より早い社会復帰を目指せることが魅力です。

スキルアップの機会が得られる

雇用保険の給付金の中には、教育訓練給付金や職業訓練受講給付金など、能力開発やキャリア形成を支援するものもあります。利用すれば訓練費や受講費の負担を軽減しつつ、スキルアップを図れます。

種類によっては在職中でも受給できるため、失業中や休職中問わず必要に応じて利用できることがメリットです。

社会保険給付金に関するデメリット

社会保険給付金は生活を安定させ、療養や再就職のための時間を確保できるメリットがあります。一方で、手続きに関するデメリットがあることも理解しておきましょう。

ここでは、社会保険給付金を受給する前に押さえておきたい2つのデメリットを解説します。

自ら申請しないと給付されない

社会保険給付金は、基本的に自ら申請しないと給付されないことがデメリットです。

申請条件を満たしたら、自動的に受給開始となるわけではないことに注意しましょう。制度を知らない場合、もらえるはずの給付金を逃している可能性もあります。

また、複数の給付金を組み合わせる場合は、併用により減額されたり停止されたりするものもあるため、どの給付金をいつ使うかなど細かい計画を立てることが重要です。

手続きに時間と手間がかかる

社会保険給付金には申請条件があり、条件を満たすことを証明するための書類など、給付金の種類によってさまざまな書類を準備する必要があります。

申請後も、給付金が支給されるまでに幾つかの条件を満たす必要のあるものもあり、申請したら終わりというわけではありません。自分が利用できる給付金を調べて、必要書類を準備し、申請しなければならないため、実際に給付するまでのハードルが高いと言えます。

社会保険給付金がもらえないケース

社会保険給付金がもらえず嘆く男性

注意しておきたいのが、社会保険給付金が支給されないケースがあるという点です。失業保険と傷病手当金について、それぞれ支給されないケースを解説します。

失業保険がもらえないケース

一定の条件を満たさない場合、失業保険は受給できません。受給できない主なケースとして以下が挙げられます。

  • 働く意思や能力がない場合
  • 雇用保険の加入期間が所定未満(通常2年間で12か月以上必要)
  • ハローワークで失業認定を受けていない
  • 副業をしている
  • 年金を受給している
  • 傷病手当金を受給している
  • 自営業に転身した

 

これらの状況では、失業保険の本来の目的である「再就職支援」の趣旨に合致しないと判断されかねないため、支給されません。特に、働く意思がない場合や、すでに他の収入源がある場合は、受給資格を満たさない可能性があります。

失業保険の申請を検討している方は、事前にご自身の状況が支給要件に合致するかを確認しましょう。

傷病手当金がもらえないケース

傷病手当金は、以下のような状況では支給されない場合があります。

  • 給与の支払いがある場合
  • 健康保険から他の給付金を受け取っている場合
  • 他の病気やケガで既に傷病手当金を受け取っている場合
  • 労災保険からの給付を受けている場合

 

給与の支払いがある場合は、金額に応じて傷病手当金と給与の差額が支払われます。また、同じ傷病で障害厚生年金や障害手当金を受給している場合も、原則として支給されません。

さらに、業務上の傷病による休業は労災保険の対象であるため、傷病手当金の支給対象外です。これらのケースに該当する場合は、傷病手当金の申請前に慎重に確認することが重要です。

社会保険給付金を申請する際の注意点

注意点のイメージ

社会保険給付金を申請する際には、どのような点に注意すればよいのでしょうか。注意すべき点を3つ解説します。

  • 受給資格があるかを事前に確認する
  • 情報を正確に記入する
  • 申請期間や給付開始時期などをあらかじめ確認しておく

 

それぞれについて詳しく見ていきましょう。

受給資格があるかを事前に確認する

社会保険給付金を受給するには、まず受給資格や条件を確認することが不可欠です。特に重要なのは、社会保険に加入しているか、雇用保険への一定以上の加入期間があるかどうかです。これらの基本的な条件を事前に確認することで、申請手続きをスムーズに進めることができます。

条件を満たしている場合、適切な手続きを行えば確実に給付金を受け取ることができます。ただし、受給額は個人の状況や条件によって大きく異なるでしょう。例えば、失業保険の場合、年齢や雇用保険の加入期間、離職理由などによって給付額や期間が変わります。

したがって、単に資格があるかどうかだけでなく、具体的な給付内容についても十分にチェックすることが重要です。

情報を正確に記入する

申請書に記入する情報は、正確でなくてはなりません。申請書に不正確な情報があると再申請が認められなかったり、最悪の場合は不正受給の疑いをかけられたりしてしまいます。申請書提出前には細心の注意を払って内容をチェックしましょう。

特に、以下の点に注意が必要です。

  • 誤字脱字がないか
  • 日付や金額の記入ミスがないか
  • 必要事項がすべて記入されているか

申請期間や給付開始時期などをあらかじめ確認しておく

社会保険給付金にはさまざまな種類があり、それぞれ申請期間や給付開始時期が異なります。例えば、失業保険の受け取り期限は退職の翌日から1年間です。傷病手当金は、傷病手当金を受ける権利が生じた日の翌日から数えて2年以内です。このように、適切なタイミングで申請することが非常に重要です。

タイミングを逃さないように、事前に受け取れそうな給付金をリストアップし、手帳やアプリにまとめておくのがおすすめです。特に複数の給付金を申請する場合は、それぞれの期限や条件を混同しないよう注意しましょう。

収入があると給付金が減額されることがある

社会保険給付金制度は病気・ケガによる休業など、収入に困っている人を支援するための制度です。そのため、給付金以外に収入がある場合は、支給額が減額・停止されることがあります。

例えば、傷病手当金の受給中は出産手当金や年金が収入とみなされ、減額されて差額が支給されます。さらに、傷病手当金の受給中にアルバイトやパートで収入を得てしまうと、「就労できる」と判断されて支給停止になるため注意しましょう。

また、雇用保険の給付金である失業保険の受給中に、以下のような条件でアルバイトをすると、労働時間や賃金によっては不支給・減額となります。

  • 1日4時間以上のアルバイト:働いた日は不支給となる
  • 1日4時間未満のアルバイト:賃金によっては減額される

まとめ

社会保険給付金をスムーズに受給するには、申請場所、必要書類、申請期間、そして正確な情報記入が重要です。また、各給付金の申請期間や開始時期を把握し、適切なタイミングで手続きしましょう。

ただ、社会保険給付金には多くの種類があり、それぞれ申請方法や必要書類が異なります。そのため、申請方法が複雑で、分かりにくいと感じる方もいるかもしれません。

退職コンシェルジュの社会保険給付金サポートでは、専門スタッフが申請手続きを丁寧にサポートいたします。お一人で申請手続きを進めるのが難しい方は、ぜひお気軽にご相談ください。

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この記事の監修者

杉山 雅浩

スピネル法律事務所 弁護士

東京弁護士会所属。
池袋中心に企業顧問と詐欺被害事件に多く携わっています。
NHKやフジテレビなど多くのメディアに出演しており、
詐欺被害回復などに力を入れている個人に寄り添った弁護士です。

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