2025.10.03
退職について
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離職票が届くまでにできることとは?届くのが遅い場合の原因や対処法を徹底解説
退職後、「離職票が届かないと、失業保険の手続きを始められないのでは?」と思っている方も多いのではないでしょうか。
実は、離職票が届くまでにできることには、「仮手続き」があります。仮手続きをしておくことで、受給開始の時期を早められる可能性があります。
本記事では、離職票が届くまでにできることとして、仮手続きの条件や進め方を解説します。離職票が届かない理由や対処法も紹介しているので、現在手元になく不安を感じている方はぜひ参考にしてみてください。
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離職票が届くまでにできることは「失業保険の仮手続き」
離職票が届くまでにできることは、「失業保険の仮手続き」です。「仮受付」や「仮申請」とも呼ばれます。
本来、離職票が手元にないと失業保険の受給手続きはできませんが、退職した会社から届いていない場合は仮手続きを進められます。ただし、最終的には離職票を提出しないと受給は開始されません。
仮手続きの条件
仮手続きを進められるのは、失業保険の受給対象者で、かつ退職日の翌日から12日が経っても離職票が届かないときです。
仮に3月31日に退職した場合、退職日の翌日4月1日から数えて12日目に当たる4月12日から仮手続きを開始できます。
退職前の会社で雇用保険に入っていない場合など、そもそも失業保険の受給条件を満たさない人は仮手続きも進められません。
仮手続きに必要な書類
失業保険の仮手続きに必要な書類は、以下のとおりです。
- マイナンバーカード(個人番号確認書類と本人確認書類)
- 印鑑
- 正面上半身の写真(縦3.0cm×横2.4cm)2枚
- 本人名義の預金通帳またはキャッシュカード
- 退職を証明できる書類
離職票が手元に届いている状態で手続きするのとは異なり、退職を証明する書類が必要です。「退職を証明できる書類」とは、「退職証明書」や「健康保険資格喪失証明書」などが該当します。仮手続きを検討している場合は、事前にどのような書類を用意すればよいか確認しておくと安心です。
離職票とは
離職票とは、失業保険を受給するために必要な書類で、正式には「雇用保険被保険者離職票」と呼ばれる公的文書です。雇用保険に加入している場合は退職後にハローワークから発行され、勤めていた会社から郵送または手渡しで受け取れます。
離職票を発行してもらうためには、会社に依頼して発行手続きを進めてもらう必要がある点に注意しましょう。退職時すでに転職先が決まっている人や受給する予定がない人は必要ありません。
退職の際にいつ就職するか決まっていないときは、念のため発行してもらうのが無難です。
離職票の種類
離職票には、「雇用保険被保険者離職票ー1」と「雇用保険被保険者離職票ー2」の2種類があります。どちらも退職者の離職に関する情報が書かれており、セットで発行される書類です。
「離職票ー1」には、雇用保険の資格喪失について記載されています。具体的には雇用保険の被保険者番号や資格取得年月日、離職年月日、資格喪失の原因などが書かれています。一方、「離職票ー2」は、離職日までの賃金支払い状況や離職理由が記載されている離職票です。
失業保険の申請手続きでは上記2種類の離職票を提出する必要があり、書かれている情報にもとづいて、支給額や支給日数などが決定されます。
離職票が手元に届く時期
離職票は退職後10日程度で郵送されるのが一般的ですが、会社によっては事業所に取りに行く場合もあります。
退職が決まった後、離職票が退職者の手元に届く流れは以下のとおりです。
- 退職が決まってから、退職者は会社に離職票発行を依頼する
- 会社が「離職証明書」を準備しハローワークへ送る
- ハローワークが書類を受け取り手続きを進める
- 離職票が発行されて会社に送付される
- 会社が受け取った離職票を退職者が受け取る
会社による「離職証明書」の届出期限は離職日の翌日から10日以内のため、手続きがスムーズに進めば退職から1週間〜2週間で手元に届くのが一般的です。
ただし、会社が期限ギリギリで書類を提出した場合など手続きが遅れると、退職者の手元に離職票が届くのは退職後2週間を過ぎることもあります。
離職票が必要になるタイミング
離職票が必要になるのは、主に次のタイミングです。
- 失業保険の受給手続きのとき
- 健康保険と年金の切り替え手続きのとき
退職後、失業保険を受給しながら求職活動する際は離職票の提出が求められます。基本的には、離職票が手元にないと受給手続きを進められません。
失業保険の受給期間は離職日の翌日から1年間、短期雇用特例被保険者に該当する人は6か月間が原則です。申請が遅くなると、受給できる期間が短くなることがあるため、離職票が届いたら速やかに受給手続きをする必要があります。
また、退職後すぐに就職しない場合は、国民健康保険と国民年金に加入する必要があり、市区町村役場で切り替え手続きをします。手続きの際に離職票の提出を求められますが、「退職証明書」や「健康保険資格喪失証明書」など退職日を証明できる書類があれば代用可能です。
失業保険を受給する予定がない人や退職時に転職先が決まっている人は、離職票は不要です。
離職票と間違えやすい書類
退職時は会社からさまざまな書類を渡されるため混乱しやすいですが、離職票と間違えないように注意しましょう。離職票とよく似た書類には、主に以下のようなものが挙げられます。
- 退職証明書
- 雇用保険被保険者証
- 雇用保険被保険者離職証明書
- 雇用保険被保険者資格喪失届
退職証明書とは、会社を退職したことを証明する書類で、基本的には会社に依頼して発行してもらう必要があります。離職票のような公的な書類ではなく、会社が発行するため決まったフォーマットはありません。転職先から求められるケースのほか、離職票が届かないときに国民健康保険の切り替え手続きで利用されます。
雇用保険被保険者証とは、雇用保険に加入している被保険者に発行される書類で、失業保険の受給手続きに必要です。原則として労働者本人が管理しますが、会社が預かっていることも多く、退職時に渡されるケースもあります。
雇用保険被保険者離職証明書と雇用保険被保険者資格喪失届は、会社がハローワークに提出する書類です。労働者自身が記入したり、提出したりすることはありません。
離職票の提出が必要な失業保険とは
失業保険とは、失業者が生活の心配なく求職活動に集中できるような環境を整えるために支給される給付金です。正式には「雇用保険の基本手当」のことを指し、通称「失業保険」「失業手当」とも呼ばれます。
退職した人全員に支給されるのではなく、受給には一定の条件を満たす必要があります。
受給条件
失業保険を受給できるのは、以下の条件を満たす人です。
- 雇用保険の被保険者期間が離職日以前の2年間に通算12か月以上ある
- 失業状態である
- 就職する積極的な意思がある
- いつでも就職できる能力がある
例えば、就職の意思はあっても病気やケガですぐには働けない場合や、しばらく就職しない予定の場合などは条件を満たしていないと判断されます。
雇用保険の被保険者期間について、特定受給資格者や特定理由離職者に該当する人は、離職日以前の1年間に通算6か月以上あれば失業保険を受給できます。特定受給資格者とは会社都合で退職した人、特定理由離職者とは家族の介護や自身の出産・育児などやむを得ない事情で退職した人です。
転職など自己都合による退職者も、上記の条件を満たせば受給できます。
申請書類
失業保険の受給申請をする際は、原則として以下の書類の提出が求められます。
- 雇用保険被保険者証
- 雇用保険被保険者離職票ー1
- 雇用保険被保険者離職票ー2
- マイナンバーカードなどの個人番号がわかる書類
- 本人確認書類
- 正面上半身の写真(縦3.0cm×横2.4cm)2枚
- 本人名義の預金通帳またはキャッシュカード
前述の通り、離職票が届いていない場合は省略でき、代わりに退職を証明できる書類を提出します。
申請可能な期間
受給申請できる期間は原則として離職日の翌日から1年間で、短期雇用特例被保険者に該当する場合は離職日の翌日から6か月間です。
受給している途中でも上記の期間を過ぎると、以降の給付金は受け取れなくなるため、満額受け取るためには早めの申請を心がけましょう。
離職票が届くのが遅れて申請が遅くなった場合、満額支給されない可能性があることに注意が必要です。出産や育児、病気などですぐに受給できない事情がある場合は延長申請もできます。
受給できる金額
失業保険は、退職後の生活を支えてくれる重要な制度です。実際にどのくらいの金額を受け取れるのかを把握するには、計算方法を理解しておく必要があります。
失業保険の受給額は、次の3段階で算出されます。
- 賃金日額の算出:退職前6か月間の給与総額(ボーナスは除外)を180で割る
- 基本手当日額の算出:賃金日額 × 給付率
- 総支給額の算出:基本手当日額 × 支給日数
まず、直近6か月の給与合計を180で割り、「賃金日額」を求めます。次に、その金額に給付率(50〜80%)をかけて「基本手当日額」を算出します。最後に、「基本手当日額」に所定の給付日数を掛け合わせることで、受給できる合計額が分かります。
なお、給付日数は退職理由・雇用保険の加入年数・年齢などによって変わる点に注意が必要です。
離職票が届くまでに仮手続きを進めておくメリット
離職票が手元に届くのが遅れているときに、先に失業保険の仮手続きを進めておくメリットは、失業保険の受給開始を少しでも早められることです。
失業保険の給付金が振り込まれるのは、受給申請後に7日間の待期期間を終えたのち、求職活動して失業認定を受けた後です。実際に給付金を受け取れるのは、早い人でも手続きから1か月程度かかります。
しかし、自己都合による退職者は7日間の待期期間の後、1か月の給付制限が設けられているため、振り込まれるまでに1か月以上かかることがあります。さらに、離職日からさかのぼって過去5年間のうち2回以上に正当な理由なく自己都合退職した人は、給付制限が3か月となり、より長い期間待たなくてはなりません。
離職票が届くのを待っていると手続き開始の時期が遅くなり、失業保険の初回振込までの期間も長くなってしまいます。その間、収入が途絶えてしまうため、不安を感じたり生活に支障が出たりするリスクがあることを押さえておきましょう。
その点、離職票の到着を待たずに仮手続きを進めておけば、手元に届くまでの期間を待期期間や給付制限に当てて有意義に過ごせます。
仮手続きで失業保険の手続きを進める流れ
まだ離職票が届いていない段階でも、仮手続きしておくと失業保険の手続きを進められます。仮手続きの基本的な流れは次の通りです。
- 必要書類をハローワークの窓口で提出する
- 7日間の待期期間を過ごす
- 雇用保険受給者初回説明会に参加する
- 初回失業認定日までに離職票を提出する
- 失業認定を受ける
- 失業保険が振り込まれる
それぞれの手順を詳しくみていきましょう。
1.必要書類をハローワークに提出する
退職日の翌日から12日目以降に、必要書類を持って住所地を管轄するハローワークの窓口へ行きます。
窓口で「離職票が届いていないため仮手続きを進めたい」と伝え、求職申込みの手続きを進めてもらいましょう。
2.7日間の待期期間を過ごす
失業保健の受給には、求職申込み後、離職理由に関わらず7日間の待期期間が設けられています。待期期間は受給対象にはならず、待期期間の翌日以降が受給対象日となります。
待期期間中は内職やアルバイトなどの短時間労働も禁止されており、働いてしまうと待期期間が延長されるため注意が必要です。仮手続き後の待期期間中に離職票が届いたら、速やかに提出しましょう。
3.雇用保険受給者初回説明会に参加する
仮手続きのときに指定された日時に、原則として雇用保険受給者初回説明会に参加します。
説明会では、雇用保険の受給に関する重要な説明が行われるため、必要に応じてメモを取るなどきちんと参加することが大切です。
4.初回失業認定日までに離職票を提出する
失業保険を受け取るためには、指定された失業認定日に来所して、失業認定を受ける必要があります。初回の認定日は、申請した日から原則4週間後です。
仮手続きで受給手続きをした場合、初回の認定日までに離職票の提出が求められます。提出できなかった場合は「保留」となり、離職票を提出するまで受給は開始されません。
5.失業認定を受ける
初回認定日までに離職票を提出すると、通常の失業保険受給資格者と同様に失業認定を受けられます。
失業認定では、「失業状態にあること」「求職活動を行っていること」が確認され、受給対象に該当するかの決定が下されます。具体的な手続きとして、窓口で求職活動の実績を記入した「失業認定申告書」の提出が必要です。
6.失業保険が振り込まれる
失業状態にあると認められると、1週間ほどで指定の口座に失業保険が振り込まれます。
ただし、自己都合による退職など給付制限によっては、原則1か月間の給付制限期間が設けられています。給付制限中に認定日がくる場合は、認定を受けても給付金は振り込まれません。
2回目以降の失業認定は4週間ごとに実施され、その間は継続した求職活動が求められます。その後、失業保険の給付日数が終了するまで失業認定と求職活動を繰り返します。
離職票が届かない・届くのが遅れる理由
通常、離職票は退職後10日程度で手元に届きます。「離職票が届かない」「届くのが遅れてしまう」原因として、主に以下の5つが考えられます。
- 会社側の手続きが遅延している
- ハローワークの手続きに遅れが生じている
- 離職票が必要なことを伝えていない
- 雇用保険の被保険者ではない
- 郵送時のトラブルがあった
会社の手続きが遅れている
離職票は、会社側が必要書類を揃えて届け出することで発行されるものです。何らかの理由で会社側の手続きが滞り、ハローワークに書類を届出できていない場合は、離職票の発行が遅れることがあります。
会社の規模によっては専門部署がなく手続きに不慣れな場合や、繁忙期で業務が立て込んでいて、離職票に記載する給与計算など事務処理が追いついていない場合なども考えられます。
ハローワークの手続きが遅れている
会社側が手続きを進めていても、ハローワークの対応が遅れているケースもあります。特に退職者が多い時期は、手続きに時間がかかっている可能性も否定できません。
また、会社が提出した書類に不備が見つかったときなど、通常より時間がかかっている可能性も考えられます。
会社に離職票が必要なことを伝えていない
そもそも会社に離職票の発行を頼んでいない場合は、離職票は届きません。
離職票は、失業保険の受給や社会保険の切り替え手続きに必要で、転職など退職後すぐに就職する人は必要ない書類です。退職者全員を対象に発行されるものではないため、必要な場合は会社に依頼する必要があります。
会社に依頼したのに届かない場合、上司に離職票が必要だと伝えていても、担当者に伝わっていない可能性も考えられます。退職が決まったら、担当者に直接依頼すると安心です。
雇用保険に加入していない
会社で雇用保険に入っていない場合は、失業保険の受給対象外のため離職票はもらえません。離職票は失業保険を受給するための書類で、受給条件を満たさない雇用保険の未加入者はそもそも必要ないためです。
雇用保険に加入しているアルバイトやパートの人は被保険者として、離職票を受け取れます。
郵送時にトラブルが発生している
離職票が発行されて会社が退職者に送付した際、郵送トラブルが起こって届くのが遅れている可能性もあります。例えば、配達の遅延や紛失など郵送業者によるミスのほか、会社が住所を間違えてしまうケースも考えられます。
退職後、すぐに引っ越す場合は、会社に新住所を伝えていないと旧住所に離職票が送られてしまうので注意が必要です。旧住所に送付された場合でも、郵便局に転居届を出していれば転居・転送サービスで1年間新住所に転送してもらえます。しかし、転居届の提出前や事務処理前に送られると旧住所に届いてしまうので、事前に会社に新しい住所を忘れず伝えましょう。
離職票が届かないときの対処法
退職後10日以上経っても離職票が届かない場合は、何らかのトラブルが起きている可能性も考えられるので、以下の対応を検討する必要があります。
- 会社の担当者に問い合わせる
- ハローワークに相談する
退職日の翌日から12日目以降に失業保険の仮手続きが可能ですが、最終的には離職票が必要になるため、いつごろ手元に届くかは確認しておくことも重要です。
会社の担当者に問い合わせる
会社から連絡がなく、退職から10日以上経っても離職票が送られてこない場合は、まずは会社の担当者に問い合わせます。担当者が手続きを忘れていたり、離職票を郵送し忘れていたりする可能性があるためです。
問い合わせ方法は、メールだと迷惑メールに振り分けられてしまうことがあるため、電話が確実です。
会社は郵送したのに退職者に届いていない場合もあるため、どこで手続きが滞っているのか確認することも重要です。すでに発送済みの場合は、いつごろ発送したかも聞いておきましょう。
発送から時間が経っている場合は郵送トラブルが起きている可能性があるため、問い合わせ番号など追跡できるものがあるかも聞いておくと安心です。
ハローワークに相談する
会社が届出しているにもかかわらず発行されていない場合は、ハローワークの手続きが滞っている可能性があります。会社を通してハローワークに問い合わせてもらうか、自分で直接問い合わせます。
離職票の発行を依頼したのに手続きしてくれない場合や、離職票の郵送を拒まれている場合など、会社側が対応してくれないときもハローワークに相談しましょう。
雇用保険法第76条3項では、離職者が必要書類の交付手続きを要求した場合、事業主はこれに応じなければならないと記載されています。つまり、退職者が離職票の発行を依頼した際、会社は期限内に手続きして離職票を発行してもらう義務があり、これを怠ると罰則を受けます。
離職票は再発行できる
万が一、離職票を紛失してしまったときは、ハローワークで再発行手続きができます。会社を通じて再発行を依頼することも可能です。
一度発行された状態であれば、会社とやりとしにくい状況にある場合や、会社が離職票を郵送してくれない場合は、ハローワークと直接やりとりして再発行してもらえます。
再発行の方法は、窓口申請・電子申請・郵送申請の3つがあります。
窓口申請で再発行する
窓口で以下の書類を提出して手続きすると、早ければ即日離職票を受け取れます。
- 雇用保険被保険者離職票再交付申請書
- 写真入りの本人確認書類(マイナンバーカード、運転免許証など)
- 雇用保険被保険者証(なくても可)
雇用保険被保険者離職票再交付申請書は窓口で入手するか、ハローワークのホームページからダウンロードできます。再交付申請書には事業所の正式名称や所在地、電話番号を記入する必要があるため、窓口で書く場合はあらかじめ調べて控えておくとスムーズです。
再交付申請書の「離職票の滅失又は損傷の理由」に「破損」と書いた場合は、破損した離職票の提出が必要になります。
離職票を管理しているのは、退職した会社の勤務地を管轄するハローワークです。退職者の住所地を管轄するハローワークでも問題ありませんが、勤務地のほうがよりスムーズに手続きを進められる可能性があります。
電子申請で再発行する
デジタル庁が運営する「e-GOV(イーガブ)」を通して申請すれば、窓口に行かなくても離職票をPDFとして再発行できます。電子申請で必要な情報は、以下のとおりです。
- 電子署名またはGビズID
- 退職した会社の情報と自分の氏名・住所
- 破損した離職票のPDF
e-GOVを利用するためには、アカウント登録とアプリケーションのインストールが必要です。申請手続きはパソコンからのみで、スマホからはできません。
また、再発行した離職票はPDFのため、失業保険の受給手続きをするためには印刷して持っていく必要があります。
郵送申請で再発行する
郵送申請の場合も、自分の住所地ではなく退職した会社の勤務地を管轄するハローワークを宛先にすると手続きがスムーズです。以下の書類を郵送することで、離職票を再発行してもらえます。
- 雇用保険被保険者離職票再交付申請書
- 写真入り本人確認書類のコピー
- 切手を貼った返信用封筒
返信用封筒には、自分の住所と名前も記入しておきましょう。
郵送申請はハローワークに行く手間や事前登録の手間はありませんが、書類の発送から離職票が手元に届くまで時間がかかるのがデメリットです。
離職票が届く前に再就職した場合
離職票が届く前に再就職が決まった場合でも、就職の時期や条件によっては再就職手当がもらえるケースがあります。
再就職手当とは
再就職手当とは、一定の条件を満たした失業保険の受給資格者が再就職した場合に受け取れる就業促進手当の一つです。再就職しなかった場合に受け取るはずだった失業保険の60〜70%が一括で支給されます。
再就職手当を申請すると、それ以降の失業保険は受け取れなくなる点に注意が必要です。
離職票が届く前の再就職で給付金がもらえる条件
離職票が届く前に再就職が決まった場合でも、以下の条件をすべて満たせば再就職手当を受給できます。
- 失業保険の支給日数のうち所定給付日数が3分の1以上残った状態で再就職したこと
- 1年を超えて勤務することが確実なこと
- 7日間の待期期間満了後の就職であること
- 給付制限期間中はハローワークや認定機関からの紹介で就職したこと
- 離職前の会社、あるいは密接な関係がある会社への就職ではないこと
- 就職日前3年以内に再就職手当や常用就職支度手当を受け取っていないこと
- 失業保険の求職申込み以前から内定をもらっていないこと
- 原則、雇用保険の被保険者資格要件を満たす雇用であること
例えば、給付制限のない人が離職票の届いていない状態で仮手続きを進めており、待期期間終了後に再就職が決まった場合は、再就職手当の仮申請が可能です。この場合、離職票が届き次第ハローワークで手続きすると失業保険の本手続きが完了し、再就職手当も受け取れるようになります。
失業保険の仮手続きをしていない状態で再就職しても、再就職手当はもらえないため注意しましょう。
再就職手当をもらうメリット
失業保険を満額もらわずに再就職手当を受け取るメリットは、再就職先を早期退職してしまった場合でも、再び失業保険を受給できる可能性があることです。具体的には、再就職前の会社を辞めてから1年の失業保険の受給期間内であれば、残りの日数分を受け取れます。
再就職手当は再就職先をすぐに辞めてしまっても返還する必要がないため、もらったお金はそのままに再び失業保険を受給できます。
まとめ
退職後、離職票が届くまでにできることとして、「失業保険の仮手続き」があります。
本来は離職票が必要ですが、退職日から一定期間が過ぎると退職証明書などを用いて仮手続きが可能です。仮手続きを進めておけば、待期期間や給付制限を前倒しでき、受給開始を早められるメリットがあります。
「社会保険給付金サポート」なら、必要書類の準備から申請まで複雑な手続きを担当スタッフがサポートします。自分で制度について調べる時間を減らし、不安なく受給までの流れをスムーズに進められることが魅力です。
相談は無料ですので、失業保険の受給を少しでも早く始めたいと考えている方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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この記事の監修者

杉山雅浩
スピネル法律事務所 弁護士
東京弁護士会所属。
池袋中心に企業顧問と詐欺被害事件に多く携わっています。
NHKやフジテレビなど多くのメディアに出演しており、
詐欺被害回復などに力を入れている個人に寄り添った弁護士です。
YouTubeの他、NHK、千葉テレビ、テ日本テレビ、東海テレビ、FM西東京、フジテレビ、共同通信社、時事通信社、朝日新聞、朝日テレビ、読売新聞、日本経済新聞、毎日新聞、TBS、CBCテレビ、名古屋テレビ、中日新聞その他数多くのネット記事、週刊誌多数のメディアに取材されたり、AbemaTV、NHKスペシャル、クローズアップ現代、バイキングモア、おはよう日本、など有名番組に出演してます!
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