2023.07.28

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心療内科と精神科の違いって?

社会が複雑化した現代。仕事や日常生活においても効率化や生産性を求められるようになりました。そのうえ、コロナウイルスの蔓延によって生活様式が変化し、ストレスが原因でうつ病や統合失調症などの精神疾患に陥る人も増えています。メンタルの不調を感じたときには、心療内科や精神科を早期に受診することが重要です。ここでは、心療内科と精神科の違いや特徴などについて、解説します。

心療内科と精神科の違いや特徴とは

心療内科も精神科も、メンタルの不調が生じたときに受診する診療科です。ただ、メンタルの問題が原因にある場合でも、不調がどの部分に現れるかによって、どちらを選んだ方が良いのかは異なります。心療内科は、ストレスなどを受けたことがきっかけで、身体的な不調が出ている場合に受診すると効果的だと言われています。心療内科が有効なのは、以下のような症状の場合です。

  • 自律神経失調症

自律神経失調症は、ストレスや生活習慣などが原因で自律神経のバランスが乱れる疾患です。それにより、疲れやすさやだるさ、頭痛や吐き気などが現れます。このような身体症状の他に、気分の落ち込みや不安感などが生じることもあります。

  • 過敏性腸症候群

過敏性腸症候群は、便秘や下痢を繰り返すことで腹部に不快を感じたり、痛みが生じたりする疾患です。特に、個人にとってストレスを感じる場面に遭遇する際(嫌な学校や会社に行かなければならないときやプレッシャーを感じる試験時など)にこれらの症状が強く現れると言われています。

  • 胃潰瘍

胃潰瘍とは、胃の粘膜がただれることで胃壁が傷つく疾患です。正常なときには胃液がスムーズに分泌し、胃を守ってくれますが、ストレスなどで胃の粘膜のはたらきが低下すると、痛みや胸やけ、吐き気などの症状が出現します。特に、空腹時や食後に生じやすいとされています。

 

一方、何かしらのストレスや心理的打撃などが原因で、精神的な部分に不調が生じている場合は、精神科が適切だと言えるでしょう。精神科の受診が有効な症状は、以下の通りとなります。

  • うつ病

うつ病は、ストレスなどが影響し、脳内の神経伝達物質が正常に働かないことが原因で起こる精神疾患です。主に、憂うつな気分になる、やる気が起きない、イライラするなどの症状が現れます。原則的に、一時的にこのような状態が認められると“うつ状態”などとされる場合もあります。しかし2週間以上続く場合はうつ病の可能性がより高まります。また、症状がひどくなると、死にたいという希死念慮を持つ人もいます。

  • 統合失調症

統合失調症の原因は未だ不明ですが、誰かの声が聞こえてくるなどの幻聴や現実で起きていない出来事に直面したと感じる妄想などが生じる精神疾患です。また、自分自身の殻の中に閉じこもったかのように感情が鈍くなったりする特徴もあります。

  • 強迫性障害

頭では理解しているにも関わらず、何度も不都合な考え方が強迫的に襲ってくることで、一定の行動を繰り返してしまう精神疾患が強迫性障害です。例えば、「自分は汚い」という考えを拭うことができず、長時間手を洗い続けたり、泥棒が入るかもしれないという恐怖が消えずに、外出時に必要以上に戸締りの確認を行ったりする行動が見られます。

心療内科のみでは診れない症状もある

心療内科は、心理的な問題が身体の症状として現れている場合に受診する科となります。しかし、例えば心療内科で過敏性腸症候群と診断され、身体的不調が表に出ているけれども、精神的な症状も伴っているということはめずらしくありません。精神的症状が軽い場合であれば心療内科でも対応できますが、「消えてしまいたい」「死にたい」などの訴えや幻聴や妄想などの深刻な症状が現れたら、心療内科のみではふさわしい治療を続けることが難しくなります。

そのようなケースに陥ったときは、精神科を受診するか、心療内科と精神科の両方を診ることができるクリニックや病院を選びましょう。

治療だけではなく、医師との相性もポイント

心療内科も精神科も症状が出る部分は異なっても、ストレスなどの心理的要因が背景に潜んでいる場合がほとんどです。そのため、治療を受けるにあたっては、個人が精神的な安定を感じたり、楽な気持ちになれたりすることが重要だと言えます。そのため、通院するクリニックや病院の医師との相性が合うかどうかも視野に入れましょう。

医師も人間なので、さまざまな性格を持ち、治療に対するアプローチ法も人によって異なる場合があります。そのため、自分と考え方が違う医師や、方向性が同じではない医師のもとで治療を受けることは、時に精神的負担になってしまいがちです。しかし、医師と相性が合うと、こちらの心も整えられますので、治療の効果も表れやすくなります。

薬物治療以外にカウンセリングを併用する場合も

心療内科でも精神科でも、治療には薬物治療を使用することが多いですが、人によって薬だけでは十分な効果が現れにくいケースもあります。そのような場合には、薬以外にカウンセリングを導入することが少なくありません。カウンセリングは、その人の物の考え方や捉え方をカウンセラーがじっくりと聴くことでその人自身を受け止め、さらにより良い考え方や捉え方がないかを共に探りながら、その人の変化や自己成長を支えていく方法です。心と身体はつながっているため、その人に心理的な変化が訪れれば、今抱えている症の緩和、改善が十分にあり得ます。

また、カウンセリングはひとつではなく、さまざまな技法があるため、その人にふさわしいカウンセリングを選び、進めて行くことが可能です。自分の状態にはカウンセリングが必要だと思う場合は、受診先の医師がカウンセリングも行うことができるか、カウンセリングに精通した専門スタッフがいるかどうかという点も心に留めておくことをおすすめします。

まとめ

心療内科と精神科は重なる部分もありますが、身体面の症状か精神面の症状を主に診るかという点における違いがあります。ただ、少なからず心と身体はお互いに影響し合っていますので、必ずしもどちらかを選ばなければならないとは言い切れません。そのため、そのときの症状によって診療科を決めることはもちろん、どちらにも対応している医師がいる場所を選ぶことも効果的です。

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