就職祝い金(再就職手当)の受給条件は?
就職祝い金をもらうためには、失業手当の受給中に再就職するだけでなく、一定の条件を満たす必要があります。条件を満たさない場合は再就職しても就職祝い金をもらえないため、まずは受給条件を確認しましょう。
就職祝い金の受給に必要な8つの条件
就職祝い金の受給には、以下の8つの条件をすべて満たす必要があります。
- 就職日の前日まで失業認定を受け、失業手当の支給残日数が3分の1以上残っていること
- 失業手当の申請手続き後、7日間の待期期間満了後に就職また開業したこと
- 給付制限がかかっている場合は、求職申込みから待期期間満了後1か月の期間内は、ハローワークまたは国の認可を受けた職業紹介事業者の紹介で就職したこと
- 離職前の会社やその関連会社への再就職でないこと
- 1年を超えて勤務を続けることが確実であること
- 原則として、就職後に雇用保険の被保険者になること
- 過去3年以内の就職について、再就職手当または常用就職支度手当の支給を受けていないこと
- 受給資格決定前に内定をもらった会社に就職していないこと
就職祝い金をもらえない人の具体例
前述の条件を満たさない人は就職祝い金をもらえません。具体的には、以下のような例が該当します。
- 退職前と同じ会社やグループ会社、密接な取引関係にあった会社へ再就職した人
- 失業手当の支給残日数が3分の1未満の人
- 労働契約が3か月更新のアルバイトとして就職した人
「残日数が3分の1未満」とは、給付日数が90日の人であれば、すでに60日分以上受給していて残日数が30日を下回っている場合を指します。例えば、70日分受給済みで残りが20日分の人はもらえません。
受給条件に雇用形態に制限はありませんが、1年未満の雇用契約の場合は支給対象外です。雇用期間が1年以上と明記されている場合や、無期雇用の場合であれば、アルバイトやパート、派遣社員でも支給対象となります。
就職祝い金(再就職手当)の計算方法
就職祝い金は、基本手当日額×支給残日数×支給率で計算できます。
しかし、計算には個々の条件から基本手当日額や支給率を導き出す必要があります。具体的な計算の流れは、以下のとおりです。
- 基本手当日額を計算する
- 所定給付日数のうち支給残日数を計算する
- 支給率を確認する
それぞれの手順と受け取れる金額の具体的な計算方法を解説します。
手順1:基本手当日額を計算する
基本手当日額とは、失業手当で受給できる1日あたりの金額のことで、「雇用保険受給資格者証」に記載されています。「賃金日額×給付率」で確かめることも可能です。
基本手当日額には上限額と下限額が定められており、上限額を上回る場合は上限額、下限額を下回る場合は下限額として計算します。
賃金日額は、離職日までの直近6か月の賃金総額÷180日で計算できる1日当たりの賃金です。給付率は45〜80%で、賃金水準や年齢によって異なります。
手順2:所定給付日数の支給残日数を計算する
所定給付日数のうち、まだ受け取っていない日数が支給残日数です。離職理由や年齢、雇用保険の被保険者期間によって給付日数は異なります。
1回でも失業認定を受けた後であれば、雇用保険受給資格者証に残日数が記載されるので、計算しなくても確認できます。
手順3:支給率を確認する
就職祝い金の支給率は、給付日数の残日数によって異なります。残日数が給付日数の3分の2以上残っている場合は70%、3分の1以上3分の2未満の場合は60%です。
例えば、給付日数が90日で、残日数が40日の場合は支給率を60%として計算します。
【具体例】就職祝い金の受給額
前述の手順に沿って、以下の条件で就職祝い金をもらうと仮定して、受け取れる金額を計算してみましょう。なお、受給条件はすべて満たしているものとします。
- 年齢:30歳
- 離職前6か月間の賃金総額:96万円
- 所定給付日数:90日
- 受給済みの日数:50日
まず、基本手当日額を計算するため、賃金日額を出します。
賃金日額:96万円÷180日=約5,333円
30歳で賃金日額が5,333円の場合、給付率は80%として計算するため、以下の計算式で基本手当日額がわかります。
基本手当日額:5,333円×80%=約4,266円
所定給付日数と受給済みの日数から支給残日数は40日となり、これは所定給付日数の3分の1以上3分の2未満です。つまり、支給率は60%で以下のように計算します。
就職祝い金:約4,266円×40日×60%=約10万2,399円
就職祝い金(再就職手当)をもらうメリット
就職祝い金は任意の申請であり、「もらわない」と選択することも可能です。申請するか決める際は、以下のようなメリットもあることを押さえておきましょう。
- まとまったお金が受け取れる
- 非課税なので申告不要で全額受給できる
- 求職活動のモチベーションになる
- 再就職後に退職した場合は失業手当の再申請ができる
それぞれのメリットを詳しく解説します。
まとまったお金を受け取れる
メリットの一つは、失業手当の支給残日数に応じて、まとまった金額を受け取れることです。
失業手当は原則として4週間ごとの失業認定により支給され、所定給付日数分を受け取るまで複数回にわたって手続きが必要です。
しかし、就職祝い金は申請後一括で受け取れるため、再就職後の生活を安定させるのに役立ちます。受給のために毎回申請する必要がなく、一度の申請で全額受け取れることも魅力です。
非課税なので申告不要で全額受給できる
失業保険と同様に就職祝い金も非課税のため、全額受け取れることがメリットです。就職祝い金を受給した場合でも、年末調整や確定申告などの面倒な申告手続きは不要です。
就職祝い金には税金がかかりませんが、家族の社会保険に扶養家族として入っている場合は、給付金も収入とみなされます。その他の収入と併せて一定額以上になると、扶養から外れてしまう可能性がある点に注意しましょう。
求職活動のモチベーションになる
早く就職するほど受給額が増える仕組みのため、求職活動のモチベーションにつながります。
特に、失業手当の残日数が3分の2以上だと支給率が70%になるため、できるだけ早く再就職しようという意欲が湧きやすくなります。
再就職後に退職した場合は失業手当の再申請ができる
就職祝い金を受け取った後、再就職先を早期に退職した場合でも、失業手当の再申請ができる可能性があります。
再就職する前に失業手当の受給期間が満了していなければ、就職祝い金で受け取った分を差し引き、残りの金額を受給できます。また、再就職後にすぐ退職しても就職祝い金の返金義務はありません。
就職祝い金(再就職手当)を受給する際の注意点
就職祝い金は早期の再就職でまとまったお金をもらえる制度ですが、以下の注意点に気をつけましょう。
- 焦って就職を決めない
- 就職祝い金の基本手当日額には上限がある
- 待期期間中の再就職は対象外になる
- 申請期限を過ぎても受給できる可能性がある
- 個人事業主として開業する場合も対象になる
それぞれの注意点を解説します。
焦って再就職先を決めない
早く再就職するほど就職祝い金の支給率が高くなりますが、だからといって、自分に合わない会社や条件を満たしていない会社に焦って就職を決めてしまうのは避けましょう。急いで就職を決めてしまうと、入社してからギャップを感じやすくなり、早期退職につながります。
就職祝い金をもらうために再就職先を早く決めようとするのではなく、求職活動のモチベーションを上げるものとして意識しながら活動することが重要です。
就職祝い金の基本手当日額には上限がある
就職祝い金は基本手当日額をもとに計算するため、賃金日額が高いほど多くもらえる仕組みです。しかし、限度なく受給できるものではなく、基本手当日額には上限額が設定されています。
上限額は毎年変更されるため、失業認定日に対応する上限額を参考にしましょう。また、失業手当の上限額とは異なる点に注意が必要です。
令和7年8月時点の就職祝い金における基本手当日額の上限額を、以下の表にまとめました。
| 離職時の年齢 | 上限額 |
| 60歳未満 | 6,570円 |
| 60歳以上65歳未満 | 5,310円 |
参考:ハローワークインターネットサービス|再就職手当のご案内
待期期間中の再就職は対象外になる
再就職のタイミングによっては、就職祝い金がもらえないこともあります。
例えば、就職した日が待期期間内のときは給付金を受け取れません。待期期間とは、失業手当の手続き後に設けられている7日間の期間です。失業手当や就職祝い金をもらうためには、定められた期間は失業している状態にあることが求められます。
もし待期期間中に内定をもらったとしても、入社日が期間経過後であれば受給できます。
申請期限を過ぎても受給できる可能性がある
就職祝い金の申請期限は、原則として就職した日の翌日から1か月以内です。ただし、申請する権利の時効は2年と定められており、1か月を過ぎても受給できる可能性があります。
起点となるのは再就職した日の翌日で、そこから2年が経過する日です。例えば、2025年10月1日に再就職した場合、時効は2027年10月1日までとなります。
時効は2年間あったとしても、原則1か月以内での申請が推奨されるため、できるだけ早く手続きしましょう。
個人事業主として開業する場合も対象となる
会社に雇用される場合だけでなく、個人事業主として開業した人も就職祝い金の対象になります。開業する場合でも、就職祝い金をもらうためには失業手当の手続きが必要です。
ただし、就職祝い金は安定して働けることが条件のため、個人事業主の場合は1年以上事業を継続できることを証明する必要があります。企業に就職する場合とは異なり、開業届の控えや業務委託契約書など、事業を証明できる書類などを求められる可能性がある点に注意しましょう。
就職祝い金(再就職手当)の申請に必要な書類
就職祝い金の申請には、採用証明書・雇用保険受給資格者証・失業認定申告書・再就職手当支給申請書が必要です。それぞれの入手場所や書類の内容を以下の表にまとめました。
| 書類の種類 | 入手場所 | 内容 |
| 採用証明書 | ハローワークの窓口、厚生労働省ホームページ | 再就職先での雇用実態を証明する書類 |
| 雇用保険受給資格者証 | ハローワーク | 失業手当の受給資格を証明する書類 |
| 失業認定申告書 | ハローワーク | 失業認定を受けるための求職活動実績を報告する書類 |
| 再就職手当支給申請書 | ハローワークの窓口・ホームページ | 就職祝い金を申請するための書類 |
上記の表以外にも、本人確認書類や再就職先の勤務実績など、別途書類を求められることがあるため、事前にハローワークに確認しておくと安心です。
就職祝い金(再就職手当)の申請方法
就職祝い金を受け取るためには、自ら書類を準備して申請する必要があります。基本的な申請手順を解説します。
再就職先に採用証明書を作成してもらう
就職が決まったら、再就職先に依頼して採用証明書を記入してもらいます。
採用証明書は失業手当の申請でもらった「受給資格者のしおり」に同封されています。もし紛失してしまった場合は、ハローワークの窓口や厚生労働省のホームページなどでも入手可能です。
採用証明書には本人記入欄と事業主記入欄があり、再就職先の事業主には雇用年月日や内定日、雇用期間などを記入してもらう必要があります。
ハローワークに採用証明書と雇用保険受給資格者証、失業認定申告書を提出する
採用証明書を作成してもらったら、ハローワークの窓口で雇用保険受給資格者証や失業認定申告書とともに提出します。
失業認定申告書は、就職する日の前日分までの失業手当を受給するために必要です。申告書は雇用保険受給者説明会や認定日ごとにもらえますが、紛失した場合はハローワークのホームページや窓口でも入手できます。最後の受給日までの求職活動実績を記入して提出しましょう。
ハローワークで再就職手当支給申請書を受け取る
採用証明書と雇用保険受給資格者証、失業認定申告書を提出し、書類の不備がなければ再就職手当支給申請書を受け取れます。
就職を証明する書類が別途必要な場合もあるため、このときまでに聞いておくと手続きがスムーズです。
再就職先に再就職手当支給申請書を提出し、必要事項を記入してもらう
再就職手当支給申請書には、本人・事業主・ハローワークの記入欄があります。
事業主欄には会社の情報や雇入年月日、内定日、職種、所定労働時間、賃金月額、雇用期間などを記載する必要があるため、再就職先に記入を依頼しましょう。
申請書と雇用保険受給資格者証と一緒にハローワークへ提出する
申請書の本人記入欄や事業主記入欄に漏れがないか確認し、雇用保険受給資格者証と一緒にハローワークに提出します。
窓口へ直接提出できない場合は、代理人による提出や郵送でも受け付けています。代理人に依頼する場合は、委任状や委任された人の本人確認書類も必要です。
審査後、就職祝い金が振り込まれる
1か月〜2か月程度の審査期間後、問題がなければ支給決定通知書が届きます。支給決定後、1週間程度で指定口座に就職祝い金が振り込まれますが、書類に不備があると審査結果が届くのが遅くなることがあります。
就職祝い金が遅い・振り込まれないときの原因と対処法
申請してからなかなか振り込まれない場合、いくつか理由があります。
審査が時間がかかる主なパターン
- 採用証明書の記載内容があいまい
- 雇用契約が不明確で雇用保険加入の可否を確認する必要がある
- 事業所側の手続きが遅れている
- 提出書類に不足がある
審査の状況はハローワークで確認できるため、気になる場合は問い合わせが早道です。
書類不備で止まるケース
よくあるのは、次のような記載漏れです。
- 勤務時間の欠落
- 雇用契約期間の誤記
- 署名や押印の不足
書類が戻ってきた場合は、事業所側に早めに依頼して再提出するとスムーズです。
確認しておきたいポイント
- 書類はすべて同時提出しているか
- 就職日と書類の日付にずれがないか
- 契約内容が支給要件を満たしているか
一つずつ整理していくと、原因が見えやすくなります。
就職祝い金(再就職手当)でよくある質問FAQ
再就職後すぐ辞めた場合は返金が必要?
一般的には返金は求められませんが、短期間で複数回退職を繰り返すと次回以降の判断に影響することがあります。
また、再就職後の離職日によっては、失業手当の再申請が可能な場合があります。
採用証明書を書いてもらえない場合は?
小規模な会社や繁忙期だと作成が遅れる場合があります。
どうしても難しい場合は、ハローワークが会社に確認を行うため、まずはハローワークに相談するのが安全です。
短期離職でも支給される?
再就職先の「雇用見込み」が基準となるため、契約期間が極端に短いと対象外になるケースがあります。
いつ振り込まれる?
地域差はありますが、多くは1か月前後です。
提出が遅れるほど審査も後ろ倒しになるため、早めの手続きが大切です。
税金や扶養に影響はある?
再就職手当は非課税で、所得税や住民税の対象にはなりません。
そのため、確定申告が必要になることもありません。
就職祝い金(再就職手当)を最大限活用するためのコツ
再就職手当は、就職が決まってから慌てて調べると損をしやすい制度です。
次のポイントを押さえておくと、受給しやすくなります。
ハローワークでの手続きを丁寧に進める
ちょっとした記載ミスが支給判断を左右することがあります。
疑問点があればその場で確認し、「後からやり直し」にならないよう進めておくと安心です。
求人選びで注意したいポイント
雇用保険加入が前提となるため、勤務時間や契約期間の記載はしっかりチェックしておきます。
曖昧な求人の場合、面接時に直接確認するのが確実です。
早期再就職で損をしないために
給付制限中や残日数が少ない状態で急ぎすぎると、支給額が小さくなることがあります。
焦らず、自分の生活や条件と照らし合わせて決めることが大切です。
就職祝い金(再就職手当)以外に再就職でもらえる給付金

就職祝い金の他にも、条件によっては再就職したときに受給できる制度があります。
就業促進定着手当
就業促進定着手当とは、再就職先に6か月以上雇用され、その6か月間の賃金1日分が離職前よりも低い場合に支給される給付金です。就職祝い金を受け取った人が対象になります。
支給額は、「(離職前の賃金日額-再就職の日から6か月間の賃金額1日分)×再就職の日から6か月間の賃金支払い日数」で計算できます。就業促進定着手当には上限が設定されており、「基本手当日額×支給残日数×20%」が上限額です。
常用就職支度手当
常用就職支度手当とは、特に就職が困難な人の常用就職を促進するための制度です。失業手当の受給資格を持つ人のうち、障害のある人や就職日に45歳以上の人などが対象となります。
受け取れる金額は、以下のように支給残日数によって異なります。
| 支給残日数 | 支給額 |
| 90日以上 | 失業手当30日分 |
| 45日以上90日未満 | 失業手当の残日数3分の1相当分 |
| 45日未満 | 失業手当15日分 |
常用就職支度手当は支給残日数が所定給付日数の3分の1未満の人が対象になるため、就職祝い金との併用はできません。
まとめ
就職祝い金は、早期再就職を後押しする制度で、失業手当の支給残日数に応じて一括で支給される給付金です。非課税で受け取れるうえ、求職活動のモチベーション向上にもつながるメリットがあります。
ただし、失業手当と同様に手続きは自分で進める必要があり、準備する書類も条件に応じて多岐にわたります。就職祝い金の申請方法や必要書類の準備が不安な方は、「社会保険給付金サポート」を活用するのがおすすめです。
給付金の申請に精通した担当者が丁寧に手続きをサポートするため、就職祝い金の申請もスムーズに進められます。また、就職祝い金の受給条件を満たさない場合でも、他の給付金の対象になることがあるため、まずはお気軽に無料相談からお問い合わせください。
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