この記事でわかること
インフルエンザは毎年流行する身近な感染症ですが、高熱で動けなくなることも多く、「会社を休んだときに傷病手当金はもらえるの?」と気になる方は多いと思います。
傷病手当金は健康保険の制度で、仕事を休んで給与が出ない場合の生活をサポートする給付金です。
ただし、インフルエンザであれば自動的にもらえるものではなく、制度上の条件を満たす必要があります。
本記事では、インフルエンザで傷病手当金を受け取る条件、金額、申請手順、ケース別の判断まで、分かりやすく整理していきます。
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インフルエンザは傷病手当金の対象になる?
まず一番気になる、「インフルエンザは対象になるのか?」という点から整理します。
結論としては、インフルエンザが傷病手当金の対象になるケースは多いです。
ただし、「病名がインフルエンザだから自動的に出る」という仕組みではなく、制度上は次のような考え方になっています。
- 「今の仕事ができない状態(労務不能)かどうか」が基準
- その判断は、医師の意見(診断内容)と仕事内容を踏まえて行われる
全国健康保険協会(協会けんぽ)の解説では、傷病手当金を受け取るための条件として、
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- 病気やケガで労務不能であること
- 連続する3日間の待期期間が成立していること
- 給与(報酬)が支給されていないこと
- 健康保険の被保険者であること
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といったポイントが整理されています。
参考:全国健康保険協会(協会けんぽ)「病気やケガで会社を休んだとき(傷病手当金)」
インフルエンザの場合でも、例えば次のようなイメージです。
- 39度前後の発熱や強い倦怠感で起き上がれず、仕事にならない
- 医師から「数日は自宅安静が必要」と判断されている
このようなケースであれば、「労務不能」とみなされる可能性が高く、傷病手当金の対象になり得ます。
一方で、
- 微熱で、在宅ワークなら十分こなせる
- 本人の体調としては、ほぼ通常どおり働ける
といった状況だと、「仕事ができない状態」とまでは言えないため、傷病手当金の対象にはならないこともあります。
インフルエンザで傷病手当金を受け取るための4つの条件
ここからは、インフルエンザで傷病手当金を受け取るために、具体的にどんな条件を満たす必要があるのかを見ていきます。
インフルエンザで傷病手当金を受け取るための条件は以下の4つです。
条件①:業務外の病気・ケガであること
インフルエンザは、多くの場合「業務外の病気」として扱われます。
通勤や日常生活の中で感染するケースがほとんどで、ここは特に意識しなくても条件を満たすことが多い部分です。
ただし、職場の状況によっては「業務に起因する感染」と整理されるケースも理論上あり得ます。その場合は、健康保険の傷病手当金ではなく、労災保険の給付(休業補償給付など)の対象になる可能性もあります。
一般的なインフルエンザであれば、まずは健康保険側の傷病手当金を想定して考えることが多いイメージです。
条件②:療養のために「労務不能」であること(医師の証明が必要)
制度上もっとも重要なのが、「働けない状態=労務不能かどうか」という点です。
ここでいう「労務不能」は、
- 医師が診察した結果、「仕事は避けた方がよい」と判断している
- 実際の仕事内容から見て、就労が現実的ではない
といった観点から総合的に判断されます。
傷病手当金の申請書には「医師が記入する欄」があり、そこに
- 診断名(インフルエンザなど)
- いつからいつまで就労困難と判断されるか
が記載されます。
この医師の意見が、労務不能かどうかを判断する重要な材料になります。
条件③:4日以上連続して仕事を休んでいること(待期期間)
傷病手当金には、「待期期間」と呼ばれる3日間があり、
この3日が連続して休みになったあと、4日目から支給の対象になります。
参考:全国健康保険協会(協会けんぽ)「病気やケガで会社を休んだとき(傷病手当金)」
つまり、
- 1〜3日目:待期を満たすための日数(支給なし)
- 4日目以降:休んだ日について支給対象
というイメージです。
条件④:給与の支払いがない(または減っている)こと
もう一つ重要なのが、「その期間の給与がどうなっているか」です。
全国健康保険協会(協会けんぽ)の「病気やケガで会社を休んだとき(傷病手当金)」では、
- 給与が支払われている間は、傷病手当金は支給されない
- ただし、給与の額が傷病手当金の額より少ない場合は、その差額が支給される
と説明されています。
参考:全国健康保険協会(協会けんぽ)「病気やケガで会社を休んだとき(傷病手当金)」
インフルエンザで休んだ日について、
- 有給休暇を使って通常どおりの給与が出ている
- 会社独自の病気休暇制度で満額支給される
といった場合、原則としてその期間については傷病手当金が支給されません。
逆に、
- 欠勤扱いとなり、その日の給与が全く支払われない
- 一部だけ支払われるが、通常よりも明らかに減っている
という場合は、傷病手当金の対象になる可能性があります。
有給休暇を使った場合は傷病手当金はもらえない?
インフルエンザで休むときに、有給休暇をあてる会社も多いです。
この場合、
- 有給休暇を使った日:通常どおりの給与が支給される
- =その日については「給与の支払いがある」とみなされる
ため、有給で休んだ日には傷病手当金は原則として支給されません。
ただし、例えば次のようなパターンでは話が変わります。
- インフルエンザで7日間休む
- 最初の2日間は有給を使用(給与あり)
- 3〜7日目は欠勤扱い(給与なし)
このケースでは、
- 有給を使った2日間:傷病手当金の対象外
- 欠勤扱いになった日:待期完成後の日数に応じて、傷病手当金の対象になり得る
という整理になります。
インフルエンザで仕事を休んだ場合、傷病手当金を受け取れるかどうかは、
「医師の判断内容」「休んだ日数」「有給や給与の扱い」など、細かな条件によって変わります。
条件を満たしているのに申請しないまま終わってしまうと、本来受け取れたはずの給付金を逃してしまう可能性もあります。
少しでも迷う点がある場合は、加入している健康保険や制度に詳しい窓口へ早めに相談することで、状況に応じた正確な判断がしやすくなります。
「自分の場合は対象になるのか」「申請までに何を準備すればいいのか」が気になる方は、一度専門窓口で確認してみると安心です。
傷病手当金の金額はどれくらい?基本の計算式
傷病手当金の支給額は、次のような計算式で求められます。
標準報酬日額 × 3分の2
ここで出てくる「標準報酬日額」は、
全国健康保険協会(協会けんぽ)の「標準報酬月額・標準賞与額とは?」で説明されている「標準報酬月額」を30で割ったものです。
参考:全国健康保険協会(協会けんぽ)「標準報酬月額・標準賞与額とは?」
標準報酬月額そのものは、実際の給与額を一定の幅で区切った等級表にもとづいて決まります(健康保険の標準報酬月額は第1級〜第50級まで等級が設定されています)。この区分の上限や仕組みについては、厚生労働省の資料でも整理されています。
傷病手当金の金額はどれくらい?インフルエンザを想定した計算例
つまり、休業1日あたり約6,666円が支給されるイメージです。
インフルエンザで休んだ日数ごとのシミュレーション
インフルエンザは、症状が重ければ5〜7日ほど休むケースが多いので、休業日数別に計算例を作ってみます。
なお、待期(連続3日)を超えた4日目以降が支給対象です。
【モデルケース】
- 標準報酬月額:30万円
- 標準報酬日額:1万円
- 1日あたりの傷病手当金:6,666円
【休業日数別の支給例(インフルエンザ想定)】
| 休んだ日数 | 待期成立 | 支給対象日数 | 受け取れる金額(目安) |
| 3日 | ○ | 0日 | 0円 |
| 4日 | ○ | 1日 | 約6,666円 |
| 5日 | ○ | 2日 | 約13,332円 |
| 7日 | ○ | 4日 | 約26,664円 |
| 10日 | ○ | 7日 | 約46,662円 |
※あくまで計算例であり、実際の支給額は加入している健康保険と標準報酬月額により異なります。
ポイントの整理
- 待期期間(3日)は支給されない
- 4日目から支給対象
- 有給や給与が支払われた日は対象外
- 給与が一部支給される場合は、その差額分だけ傷病手当金が支給されることもある
インフルエンザで傷病手当金を申請する手順
ここからは、「実際にどうやって申請するの?」という部分を分かりやすく整理します。
傷病手当金の申請は、全国健康保険協会(協会けんぽ)など、加入している健康保険に対して行います。
全国健康保険協会(協会けんぽ)の申請書は以下で配布されています。
参考:全国健康保険協会(協会けんぽ)「健康保険傷病手当金支給申請書」
Step1:医療機関の受診(医師の意見書が必要)
インフルエンザの診断を受けたら、傷病手当金の申請に必要な「医師の意見欄」の記入を依頼します。
申請書には、
- 病名(インフルエンザなど)
- 労務不能と判断される期間
が記載されます。
診断書そのものは必須ではありませんが、申請書の医師記入欄があるため、病院を受診しておく必要があります。
Step2:会社に申請書を提出し、事業主記入欄を記載してもらう
申請書には「事業主記入欄」があり、勤務状況や給与支払い状況などを会社側に記入してもらう必要があります。
ここで記載される内容は、
- 欠勤日数
- 給与支払いの有無
など、健康保険が支給の可否を判断するうえで重要な情報になります。
Step3:健康保険(協会けんぽ等)へ提出する
会社経由または本人が直接郵送で提出する方法があります(健康保険の種類による)。
全国健康保険協会(協会けんぽ)は、処理にかかる日数の目安を公開しており、多くの都道府県で「約1か月前後」が標準とされています。
退職後にインフルエンザで休んだ場合はどうなる?
インフルエンザに限らず、退職後でも一定の条件を満たせば傷病手当金は受け取れます。
全国健康保険協会(協会けんぽ)の案内では、退職日に「被保険者資格がある状態で労務不能であった」場合、継続給付として傷病手当金が支給される可能性があるとされています。
つまり、
- 退職前からインフルエンザで働けない状態だった
- 退職日までに待期期間が成立していた
こうした条件を満たすと、退職後でも支給が継続されるケースがあります。
インフルエンザと仕事に関するよくある質問(Q&A)
Q1:家族がインフルエンザになり看病のために休んだ場合、傷病手当金は出ますか?
傷病手当金は本人の病気・ケガによる労務不能が条件であり、家族の看護は対象外です。
Q2:病院に行かず、市販薬で対応した場合でも傷病手当金はもらえる?
難しいケースが多いです。
申請用紙には医師の記入が必須であり、診察を受けていなければ意見欄が記入できません。 インフルエンザの場合は特に診断書(診断名)が必要になるため、必ず医療機関で診断を受ける必要があります。
Q3:インフルエンザ後に咳や倦怠感が続き、長期で休んだ場合は?
医師が労務不能と判断し続ける限り、傷病手当金の対象になる可能性があります。 インフルエンザ自体は短期間の疾病ですが、
- 気管支炎
- 肺炎
- 強い倦怠感の長期化
など、合併症で休業が延びるケースもあり得ます。
重要なのは、医師が就労可能かどうかを判断しているかどうかです。
おわりに
インフルエンザは「たかが季節性の流行」というイメージがある一方で、実際には高熱や強い倦怠感で数日間まともに動けなくなることも珍しくありません。そんなとき、給与が減ってしまう不安を少しでも減らせるのが傷病手当金という制度です。
ただ、この記事で整理したとおり、
- 医師が労務不能と判断しているか
- 有給や給与の扱いはどうなっているか
- 休んだ日数が待期を満たしているか
といった“細かな条件”が、支給の可否に大きく影響します。
いざ申請する段階になってから慌てないよう、
「どうやって申請するのか」「いつ相談すべきか」「どんな書類が必要なのか」
をあらかじめ理解しておくことが、安心につながります。
自分の状況が当てはまるのか不安な場合は、制度に詳しい窓口へ一度相談し、具体的な条件や手続きの流れを確認してみるとよいでしょう。
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