2023.11.24

就労について

世界から見て日本の働き方は異常?

「日本人は世界の中でも勤勉だ」と、よく言われています。確かに、熱心に働いてきたからこそ、戦後の日本の経済が大きく発展したのは事実です。しかし、転職や退職がめずらしくなくなり、ワークライフバランスも重視されるようになった現在において、日本の長時間労働を疑問視する考え方も表面化してきました。今回は、日本と世界の働き方を比べながら、今後のより良い働き方について考えてみましょう。

日本の労働時間は世界と比べて異常?

2016年にOECDが発表した「世界の労働時間ランキング」において、日本は世界で22番目に労働時間が長いというデータが示されました。日本人は働きすぎるという観念があった人にとって、この結果は意外だと感じることでしょう。なぜなら、この数字だけを見ると、異常な労働時間とは言えないからです。

しかし、このデータには、「あるからくり」が潜んでいます。実は、ここにはフルタイム勤務者だけではなく、短時間勤務の労働者も含まれているのです。つまり、全労働者を対象にしているがゆえに、労働時間が思った以上に短い結果となっていることがうかがえます。

ところが、この基準を「フルタイム勤務の男性」のみに絞って焦点を当ててみると、全く異なるデータが浮かび上がります。この場合で比較すると、1日あたりの平均労働時間はOECD諸国の中で1位(375分)になるのです。同じ条件でのOECD諸国全体の平均は259分となっているので、それを考えると、いかに日本人が長時間労働をしているかが明確になります。

日本の労働に対する考え方と世界の違いについて

OECD諸国の中でも日本のフルタイム勤務の男性は、長時間労働をしていることが分かりました。ただ、興味深いことに通勤時間や就業時間はドイツ・イギリスと比べても、大きな差がないことが示されています。例えば、就業時間をピックアップしてみると、日本が602分なのに対し、ドイツが539分でイギリスは535分となっており、それそのものは変わりない結果が出ているのです。

ところが、待機時間に関してクローズアップしてみると、日本は両者よりも長い51分というデータが示されています。待機時間とは、「自分自身の仕事は終わっているにも関わらず、職場に居座ってしまう時間のこと」です。なぜ待機時間が長くなるのかと言うと、日本では上司や同僚がまだ仕事が終わっていない場合は、彼らに気を遣って自分だけ帰る雰囲気になりづらかったり、残業をした方が評価されたりするという習慣が残っているからだと言えるでしょう。

一方、諸外国にはそのような習慣がないゆえに、ドイツの待機時間は18分、イギリスでは19分となっています。日本には、このような待機時間があるからこそ、労働時間が結果的に長くなってしまっているという悪循環を生んでいるのです。

日本の働き方も少しずつ変化してきている

最近は日本でも、仕事とプライベートを両立させることが大切だという考え方が浸透し始め、無駄な残業を省こうとしている会社も増えて来ています。しかし、一方で終身雇用や年功序列の思想が強い昔ながらの体制の会社も存在しているのは、事実です。そのような会社は、待機時間が長いことが予想されます。

待機時間が働くうえで障害になると感じる人は、残業を禁止している会社やフレックス制、テレワークなどを積極的に導入している会社を選ぶと、異常な働き方を避けることができるでしょう。

職場の待遇が原因で退職・転職しても問題はない

待機時間については、イギリスなどのOECD諸国の方が少なく、ドライに働けるため退職や転職は少ないのかもと考える人もいるかもしれません。しかし、実際は日本より退職や転職率が高くなっているのをご存知でしょうか?例えば、イギリスは約3年~5年で転職を繰り返すことはめずらしくなく、平均勤続年数は8年程度となっています。(日本の平均勤続年数は11年程度)

イギリス(世界)における退職や転職の理由は、自分のスキルを磨き、もっと良い条件の会社へ移るという考えが根底にあると言われています。つまり、自分が相応しく働けないと感じたら、もっと合う職場を求めて転職するのです。イギリスと比べると、日本の転職率は低いですが、2018年度における転職者数は約329万人にも上ったという結果が出ています。そのため、退職や転職を選んでも恥ではなく、自分自身のより良い未来のために必要な選択だと捉えると良いでしょう。

また、イギリスを始めとする世界の転職理由の2位の20%は、「勤務先の就業環境が好きではないから」を挙げています。この就業環境が好きではないという裏には、人間関係で悩まされているからという理由も潜んでいると予測できます。国や文化が違っても、人間関係が問題にあがるのは、世界共通だと言えるでしょう。だからこそ、給料や待遇以外でも人間関係に不満がある場合は、無理をして会社にしがみつく必要はないのです。職場が変われば人間関係も変わり、自分にとって働きやすい職場になる可能性は高いので、日ごろから広い視野を持ちながらキャリアプランを練っておくことが重要になります。

まとめ

「モーレツ社員」が代名詞だった日本の働き方も、今や目まぐるしく変化し続けています。仕事は、人生において大切なものではありますが、自分自身の健康やプライベートを害してまで、1つの会社にしがみつくものでもないと言えるでしょう。これからは、自分の仕事に対する考え方を明確にし、それに合わせた会社へ転職するバランスの取れた働き方を選ぶことをおすすめします。

 

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