2023.09.01

就労について

休職制度とは?

怪我やうつ病といった精神的な疾患など、さまざまなトラブルが原因で仕事を続けられなくなった際に利用できる制度に、「休職制度」というものがあります。有休や育休といった制度は広く知れ渡っているものの、休職制度はあまり認知されていないかもしれません。

ここでは、休業制度の内容やメリット、注意点、休職中に利用できる可能性のある傷病手当について解説します。

休職制度とは?

まずは、休職制度についての内容や、他の制度との違いについて以下に説明します。

1.従業員に与えられた猶予期間

休職制度とは、労働者が自分の都合で会社を休む際に、労働を免除してもらえる制度です。

会社側としては、長期間にわたって従業員に休まれてしまうと、解雇せざるを得なくなってしまいます。しかし、日本では終身雇用制度が長きにわたって定着しているため、簡単に従業員を解雇してしまうと、裁判所により解雇無効が言い渡されてしまう場合があります。

そこで登場したのが休職制度です。この制度があるおかげで、やむを得ず働けなくなった場合でも、一定期間休職することで療養などの機会が与えられます。つまり、休職制度は解雇までの猶予期間ということになります。

2.裁量は各会社にあり

労働者の都合で会社を休むための制度とはいえ、休職の理由はさまざまです。近年では育児休暇など多くの休暇制度を設けている会社もありますが、どういった内容で休職制度を利用できるかは、各会社によって異なります。

例えば、大企業であれば、怪我や病気、留学、ボランティアなどで利用できるようです。また、中小企業であれば、怪我や病気時のみ利用できるのが一般的とされています。

実際には、休職制度を利用している多くの方は、うつ病などの精神的疾患を理由に利用されている方が多いとも言われています。

また、休職内容だけではなく、休職期間についても会社それぞれの裁量次第で、大企業なら半年~数年、中小企業では数か月~1年程度が一般的です。

休職制度の内容については、各会社の就業規則に明記されているため、利用を検討している方は事前に確認しておくと良いでしょう。

3.各休暇や有休、欠勤との違いは?

休暇や有休と休職の大きな違いは、「休み中に給料が支払われるか否か」です。休職制度を利用する場合、労働者の都合によって会社を休んでいるわけですから、原則的には給料が支払われることはありません。

また、同じ労働者の都合で休むものに欠勤がありますが、欠勤と休職の違いは「労働を免除されているかいないか」という点で大きく異なります。同じ病気や疾患で会社を休んだとしても、欠勤は労働を免除されたわけではありません。その場合、休職よりも欠勤をしてしまうほうが、規約上、ネガティブな印象を持たれやすくなることが想定されます。

休職制度のメリット

それでは、休職制度のメリットに関しても、以下にお伝えしましょう。

1.もしもの時に安心しながら働ける

怪我や病気は不慮のものなので、誰にでも起こり得る可能性があります。精神的な疾患にしても、避けようと思って避けられるものではありません。体調不良などで欠勤が続いてしまえば、会社に居づらくなってしまい、場合によっては退職に追い込まれることもあるでしょう。そんな時に休職制度を利用することで、体調を万全に整えてから仕事に復帰することができるとともに、安心して働くことができます。

2.傷病手当金が受け取れる可能性がある

基本的に休暇制度中に給料は支給されないことになっていますが、条件が合えば健康保険組合から傷病手当を受け取れる可能性があります。傷病手当は療養中の大きな支えとなる制度でもありますので、自分が適用範囲内かどうか事前にしらべておきましょう。

休職制度の注意点

休職制度はメリットばかりではなく、きちんと理解して利用しなければ、自分が不利な立場になってしまうことも考えられます。休職制度を利用するにあたっての注意点は、次の通りです。

1.休職中は基本的に無給

休職制度利用中は、基本的に給料が支払われることはありません。支払われたとしても、実際に支給される金額よりも少ない金額になってしまいます。療養には、病院代などまとまった費用がかかる上に、無収入では生活が厳しくなってしまうことも考えられます。

休職制度は「保障」ではなく、自己都合で会社を解雇されないための「猶予」に近いもの、という認識をもっておきましょう。可能であれば、傷病手当の利用も考えることが大切です。

2.場合によっては昇進や賞与に影響がでる

休職制度は従業員の雇用を守る制度ではありますが、あまりに長引きすぎたり、何度も休職制度を利用したりといったことが起こると、会社からの心証が悪くなります。場合によっては、昇進や賞与に影響するといったことも考えられます。

休職制度を利用したからといって、必ずしもネガティブな印象を持たれるわけではありませんが、そういったケースもあるということも心得ておくほうが良いかもしれません。

3.休職終了後の働き方を考えておく必要がある

休職制度終了後の働き方についても、考えておく必要があります。

現在、休職制度はうつ病や精神的な疾患を理由に利用している方が多いと言います。現在の働き方や人間関係が原因でそういった問題が起こってしまったとすれば、休職前後で環境に変化がなければ、また同じ問題に直面してしまうことが想定されます。そのため、休職終了後にいきなり以前と同じペースで働くことも負担になるかもしれません。

そこで、休職終了後からも、健康的に働くためにはどのような働き方が適切か、どういったペースで復帰してくかを考えておくことも重要でしょう。

休職手当(傷病手当金)を受け取るには?

休職制度中は無給となりますが、条件によっては傷病手当金を受け取れる可能性があります。ここでは、傷病手当を受け取る際の注意事項についてご説明します。

1.傷病手当金とは?

傷病手当金とは、休職制度利用中に無収入や減収になってしまった際に支給されるもので、療養中の生活の大きな支えとなります。最長で1年6ヵ月利用することができますが、給付されるためには、いくつかの条件があります。

2.傷病手当金を受け取るための条件

傷病手当を受け取れる条件は、次の通りです。

・社会保険に加入している
・怪我や病気で働くことができない
・連続して3日以上仕事を休んでいる
・休職中に給料が支払われていない(減額している)

社会保険に加入していることが条件に入っているため、国民健康保険に加入している場合には、残念ながら適用外となります。また、連続して3日以上休んでいることが条件なので、例えば2日欠勤し、1日出勤、その後1日欠勤といった場合は、同じ3日欠勤でも適用されないため注意してください。

また、怪我や病気で「働くことができないか否か」は受診している病院の医師や健康保険組合、加入している保険組合などが判断します。自己申告だけでは認められないことを覚えておきましょう。

まとめ

やむを得ない理由で仕事を続けられなくなった際に利用できる休職制度は、療養後の生活を守る上で、とても大切な制度となります。

ただ、休職制度は完全なる保障ではないため、休職中に生活を支えていくための準備も併せて用意しておくと安心です。社会保険に加入している方は、条件次第で傷病手当が利用できることもあります。

傷病手当金の申請方法や手当金の計算などについては、それぞれが加入している健康保険の相談窓口に問い合わせることが可能です。

 

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