2024.04.26

退職について

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傷病手当金はいくら貰える?計算方法をご紹介

病気や怪我で働けなくなった場合に利用できるのが傷病手当金。
「仕事を休まないといけないのに、もう有給が残っていない」「病気になった事を会社に伝えたら退職を勧められてしまった」そんな時はぜひ傷病手当金を活用しましょう。
この記事では、傷病手当金の受給金額の計算方法や、退職後は傷病手当金と失業保険のどちらを受け取るべきかについて解説しています。

傷病手当金とは

傷病手当金とは社会保険に加入している人が利用できる制度で、病気や怪我で会社をお休みした時に、生活の保障として保険組合から支給される手当金です。
会社を休職した際に給与の代わりとして受け取る方が多く、受給金額は総支給の2/3ほどとなります。

退職後も傷病手当金は受け取れるの?

条件を満たす事で、退職後も継続して傷病手当金を受け取れる可能性があります。
傷病手当金は【一つの傷病に対して最大18か月間受給できる制度】ですので、仮に3か月休職をしてそのまま退職となった場合、退職後は残りの15か月分を受給できるということです。
しかし休職中は会社が申請の手続きを行ってくれますが、退職後は自分で手続きを行う必要があるため、正しい申請方法を理解する必要があります。

傷病手当金を受け取る条件

傷病手当金を受け取るための条件は以下となり、休職中に受け取る場合と退職後も継続して受け取る場合は若干条件が異なります。

【休職中】
①業務外の事由による病気や怪我
健康保険で診療を受けられない美容整形等は対象外です
②労務不能で仕事につけないこと
医師の意見をもとに判断されます
③4日以上仕事を休んでいること
待期期間を含みます
④給与を受けていないこと
傷病手当金の額より少ない時は、差額が支給されます

【退職後】
①退職日までに、1年以上継続して健康保険の被保険者であること
任意継続被保険者の期間、共済組合・国民健康保険の期間は上記の期間に含まれません
②退職日の前日までに連続して3日以上休んだ期間があり(待期期間の完成)、かつ退職日も休んでいること
③在職中と同一の傷病により、退職後も引き続き労務不能状態が続いていること
④労務不能期間が継続していること(退職後は断続しての受給はできません)
参考:全国健康保険協会

傷病手当金の計算方法

毎月のおおよその受給金額は、【総支給 × 2/3】で計算する事ができます。
しかし「月によって給与がバラバラ」「直近1~2年のうちに給与が大幅に増えた(減った)」などの方は、下記の計算式でより正確な受給金額を確認することができます。

計算式

【傷病手当金申請前1年間の標準報酬月額の平均 × 2/3】で1か月あたりの受給金額が確認できます。

標準報酬月額の確認方法

【標準報酬月額とは】
毎年4~6月に受け取った給与をもとに、同年9月以降の健康保険料や厚生年金の金額が設定されます。
その際に報酬の月額を区切りのよい幅で区分したものを標準報酬月額といい、健康保険制度では第1級の5万8千円から第50級の139万円までの全50等級に区分されています。

自分の標準報酬月額を確認するためには、まずは給与明細の【健康保険料】の金額を確認する必要があります。
加入している健康保険組合ごとに保険料額表というものがありますので、【〇〇健康保険組合 保険料額表】と検索してみましょう。
すると以下のような表が見つかるかと思います。

参考:令和6年度 全国健康保険協会 東京支部 保険料額表

保険料額表の【折半額】(被保険者、本人負担分などと記載されている組合もあり)の部分と照らし合わせると、現在の標準報酬月額を確認する事ができます。
※40歳以上の場合、介護保険料込みの金額になっている場合もあります。

例えば保険料を毎月9,980円支払っている40歳未満の方の場合、標準報酬月額は200,000円となります。

なお保険料額表を公表していない保険組合も存在しますので、その場合は【厚生年金】の金額からも標準報酬月額の確認ができます。
同じく厚生年金の保険料額表が存在しますので、毎月支払っている厚生年金の金額と保険料額表の折半額の部分を照らし合わせてみましょう。
※厚生年金の保険料額表では標準報酬月額が65万円までの方しか確認できないため、総支給が65万円以上の方の場合は厚生年金の保険料額表からは正確な標準報酬月額が確認できない可能性があります。

傷病手当金は【申請前1年間の標準報酬月額の平均】から算出されますので、上記の方法で申請前1年間の標準報酬月額を確認し、平均を算出しましょう。
なお標準報酬月額が変更される可能性のあるタイミングは主に「入社時」と「毎年9月」になりますので、健康保険料や厚生年金の金額が変わっていなければ標準報酬月額も変わっていないと考えてよいでしょう。

受給日数の確認

傷病手当金は一つの傷病に対して最大18か月間受給できる制度です。
そのため一度も傷病手当金を使った事がない場合は、申請中の傷病が完治したり再就職したりという事がない限り、最大18か月間受給できる可能性があります。

しかし過去同一疾病で傷病手当金を受給した事がある場合、既に受給済みの日数を差し引いた残りの日数分を受け取れる可能性があります。

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また同じ病名ではなくとも、前回は【適応障害】、今回は【うつ病】など同じメンタル面での疾病の場合は、同一疾病としてカウントされるケースが多いです。

併せて「前回は3か月分しか手当てを受け取っていないから、残りの15か月分を受け取りたい!」と思って同じ病名で申請しようとした場合でも、【令和2年7月2日以前に支給が開始された手当金】を受け取っていた事のある場合、残りの15か月分を受け取る事はできません。
※新たに【通算化】というルールが追加されたためです。

【例外】現職での社会保険加入期間が1年未満の場合

退職後も継続して傷病手当金を受け取るためには【継続して社会保険に1年以上加入している】必要がありますが、【現職と前職の間に1日もあきがない場合】は例外的に社会保険の加入期間を合算して傷病手当金を受け取る事ができるケースがあります。
※前職もしくは現職が【共済組合】の場合は、合算できない事が多いです。

しかし社会保険の加入期間を合算して退職後に傷病手当金の申請を行う場合、受給金額の計算方法が通常とは異なります。

≪合算対象となる場合≫
① 転職後の標準報酬月額の平均 × 2/3
② 加入している健康保険組合の全組合員の標準報酬月額の平均 × 2/3

①②のどちらか低い方が適用されます。

「加入している健康保険組合の全組合員の標準報酬月額の平均」は組合により異なりますが、おおよそ30万円くらいになると思っておくとよいでしょう。
組合によっては、ホームページに「標準報酬月額の平均」が記載されている場合もあります。

また例外として、前職も現職も【全国健康保険協会】の場合は、通常の計算式と同じく【(前職を含めた)傷病手当金申請前1年間の標準報酬月額の平均 × 2/3】で計算することができます。

傷病手当金支給が調整されるケース

下記に当てはまる場合、傷病手当金の支給額の一部または全部が調整されます。

給与の支払いがあった場合

休んだ期間について、給与の支払いがある場合、傷病手当金は支給されません。
ただし、休んだ期間についての給与の支払いがあってもその給与の日額が、傷病手当金の日額より少ない場合、傷病手当金と給与の差額が支給されます。

障害厚生年金または障害手当金を受けている場合

同一の傷病等による厚生年金保険の障害厚生年金または障害手当金を受けている場合、傷病手当金は支給されません。ただし、障害厚生年金の額(同一支給事由の障害基礎年金が支給されるときはその合算額)の360分の1が傷病手当金の日額より少ない場合は、その差額が支給されます。また、障害手当金の場合は、傷病手当金の額の合計額が障害手当金の額に達することとなる日までの間、傷病手当金は支給されません。

老齢退職年金を受けている場合

資格喪失後に傷病手当金の継続給付を受けている方が、老齢退職年金を受けている場合、傷病手当金は支給されません。ただし、老齢退職年金の額の360分の1が傷病手当金の日額より少ない場合は、その差額が支給されます。

労災保険から休業補償給付を受けていた(受けている)場合

過去に労災保険から休業補償給付を受けていて、休業補償給付と同一の病気やけがのために労務不能となった場合には、傷病手当金は支給されません。また、業務外の理由による病気やけがのために労務不能となった場合でも、別の原因で労災保険から休業補償給付を受けている期間中は、傷病手当金は支給されません。ただし、休業補償給付の日額が傷病手当金の日額より少ないときは、その差額が支給されます。

出産手当金を同時に受けられるとき

傷病手当金の額が出産手当金の額よりも多ければ、その差額を支給することとなります。
参考:全国健康保険協会

傷病手当金と失業保険、どちらの方がたくさん手当てを受け取れる?

退職後に受け取れる手当金として比較される事の多い【傷病手当金】と【失業保険】
では実際どちらの方が手当てを多く受け取れるのでしょうか。
答えは総支給によって異なります。

ひと月に受け取れるおおよその金額は、
傷病手当金:総支給の2/3(約65%)
失業保険 :総支給の50~80%
と差があります。

失業保険のパーセンテージには大きな幅がありますが、何を基準にパーセンテージが決まるのかというと【退職前6か月の総支給の金額次第】で変わってきます。
簡単にお伝えすると、総支給の金額が高いほど適用されるパーセンテージは50%に近く、総支給の金額が低いほど80%に近い割合で計算されます。

また失業保険の受給金額には上限があり、1か月(30日)あたりの上限金額は以下となります。

29歳以下:208,350円
30~44歳:231,450円
45~59歳:254,700円
60~64歳:215,310円

年齢によりますが、退職前6か月の総支給の平均が【42万円以上】の方は上限に引っかかる可能性があります。

一方、傷病手当金のひと月あたりの上限金額は80万円近い金額のため、あまり気にする必要はないでしょう。

そのため具体的に計算してみると、以下の金額がひと月あたりの目安金額となります。

総支給が25万円を超える場合は、傷病手当金の方が受給金額が高くなるケースが多いです。

傷病手当金と失業保険は同時に受給する事ができないため、受給金額次第でどちらの手当てを使っていくべきなのか、判断材料のひとつにするとよいでしょう。

傷病手当金受給中も必要になる支払い

会社を退職し傷病手当金を受給している間でも、以下の3つは支払いを行う必要があります。

・国民健康保険料、もしくは任意継続保険料
・国民年金
・住民税

しかし収入が減り、どうしても支払いが難しい方もいるでしょう。
場合によっては免除や減免の対象となることがありますので、それぞれ詳しくご説明します。

国民健康保険料

退職後は社会保険から抜ける事になりますので、再就職まで空きがある場合は下記3つの中からどれかを選択して加入する必要があります。

国民健康保険
  社会保険の資格喪失後14日以内に、市区町村の窓口で手続きを行う必要があります。
  一般的には扶養家族がいない場合は国民健康保険の方が安いケースが多いとされています。
  また会社都合退職の場合限定ですが、最大2年間国民健康保険の軽減が可能です。

任意継続
  退職前の会社で加入していた社会保険に入り続ける事ができる制度です。
  資格喪失日から20日以内に、保険組合に必要書類を郵送して手続きを行う必要があります。
  扶養がいた場合は扶養もそのまま引き継がれますが、任意継続できる期間は最大2年間です。
  今まで会社が半額負担していた保険料も自身で負担する事になりますので、保険料は在職時のおおよそ2倍になります。

扶養に入る
  傷病手当金受給中も、両親や配偶者の扶養に入る事は可能です。
  ただし傷病手当金も収入としてみなされますので、収入制限にかかると扶養に入れない可能性があります。

国民年金

国民年金は退職理由問わず、離職後は最大2年間軽減や免除が可能となる場合があります。
全額免除から1/4免除まであり、世帯状況や家族の収入によって異なります。
お近くの年金事務所、もしくは市区町村の国民年金担当窓口で手続きが可能です。(郵送での手続きも可。)

なお免除された保険料は、10年以内であれば後から納めること(追納)ができます。
免除された期間があると、保険料を全額納付したときに比べ、将来受け取る年金額が少なくなりますが、追納すると保険料を全額納付したときと同じになります。

住民税

住民税は前年度の所得から支払う金額が決まる為、基本的には失業を理由に免除される可能性は少ないでしょう。
※生活保護基準を下回る程度まで生活に困窮している場合を除く

まとめ

傷病手当金の計算方法についてお伝えしてきましたが、いかがでしたでしょうか。
傷病手当金の計算には複雑な条件が定められており、かつ「標準報酬月額」というあまり聞きなじみのない言葉が出てくるため、完璧に計算式を理解することは難しいでしょう。
失業保険に比べると受給期間も長いため、自分も対象になるのであれば傷病手当金を使いたいと考える方が多いと思います。
しかし失業保険に比べると傷病手当金は申請方法が複雑なのに実際に申請方法を教えてくれる窓口なども存在しないため、申請を諦めてしまう方が多いのが実状です。

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