退職給付金とは何か
実は、退職給付金という名前の公的制度が存在するわけではありません。これは、退職後に受け取れる可能性がある複数の公的な給付金をまとめて呼ぶときの言葉あり、俗称です。代表的なものとしては、雇用保険から支給される失業保険(基本手当)や、健康保険から支給される傷病手当金などが挙げられます。
混同されがちですが、いわゆる「退職金」とは別物です。退職金は勤務先の企業が就業規則にもとづいて支払うお金で、支給するかどうかは企業の判断に委ねられています。一方の退職給付金は、雇用保険や健康保険という公的な保険制度から支払われるお金で、条件を満たせば企業の規模や制度の有無に関係なく請求できます。この違いを押さえておくと、この先の話が理解しやすくなります。
パートでも退職給付金の対象になるのか
結論として、パートやアルバイトという雇用形態そのものは、退職給付金を受け取れるかどうかにおいては関係がないため、パートやアルバイトでも条件を満たせば受給をすることが可能です。
判断されるのは、雇用保険や健康保険にどのくらいの期間、どのような形で加入していたかという点です。正社員でなくても、これらの保険にきちんと加入していれば、正社員と同じように給付を申請できます。
逆に言えば、時短勤務のような勤務時間が短い場合などで各種保険に加入していない状態だと、いくら長い期間勤めていても制度の対象外になってしまいます。まずは自分の給与明細を見て、雇用保険料や健康保険料が天引きされているかどうかを確認するのが第一歩です。
パートが雇用保険に加入する条件
失業保険を受け取る前提として、そもそも雇用保険に加入している必要があります。厚生労働省が示している加入要件は次の2つで、両方を満たすとパートやアルバイトという名称に関わらず被保険者になります。
- 1週間の所定労働時間が20時間以上であること
- 31日以上の雇用見込みがあること
ここでの所定労働時間は、実際に働いた時間ではなく、雇用契約書や労働条件通知書に記載されている契約上の時間で判断される点に注意してください。詳しい要件は厚生労働省のQ&Aページにまとまっています。厚生労働省 Q&A~事業主の皆様へ~(雇用保険の加入要件)
| 働き方の例 | 週の所定労働時間 | 雇用保険の加入 |
|---|---|---|
| 週3日・1日5時間 | 15時間 | 対象外 |
| 週4日・1日5時間 | 20時間 | 加入対象 |
| 週5日・1日6時間 | 30時間 | 加入対象 |
パートが失業保険を受け取るための条件
雇用保険に加入していたパートが退職した場合、失業保険(基本手当)を受け取れる可能性があります。主な条件は次の通りです。
- 離職前2年間に、雇用保険の被保険者期間が通算して12か月以上あること(会社都合退職などの場合は離職前1年間に6か月以上でよいケースもあります)
- 就職しようとする意思と能力があり、積極的に求職活動を行っていること、行おうとしていること
なお、自己都合で退職した場合は、待期期間に加えて一定の給付制限期間が設けられています。退職理由によって受給開始のタイミングが変わるため、退職前にハローワークで自分のケースを確認しておくと安心です。
パートが傷病手当金を受け取れるケース
病気やケガで働けなくなった場合に支給される傷病手当金は、健康保険の被保険者であることが前提になります。パートでも、勤務先の社会保険(健康保険)に本人として加入していれば対象になりますが、家族の扶養に入っている状態、いわゆる扶養内パートの場合は健康保険の被保険者ではないため、傷病手当金は受け取れません。
支給を受けるための主な条件は次の通りです。
- 業務外の病気やケガで療養中であること
- 仕事に就くことができない状態であること
- 連続する3日間の待期期間を含めて、4日以上仕事を休んでいること
- 休んだ期間について給与の支払いがないこと
参考:全国健康保険協会 病気やケガで会社を休んだとき(傷病手当金)
自分が社会保険に本人加入しているか扶養に入っているかがあいまいな場合は、健康保険証の記載内容や給与明細を確認するか、勤務先の担当者に聞いてみるのが確実です。
パートの退職金と退職給付金の違いに注意
冒頭にも述べた通り、企業から支払われる「退職金」については法律で支給が義務付けられているものではなく、勤務先の就業規則で定められている場合にのみ支払われます。そのため、退職金制度自体がない会社で働いているパートは、そもそも退職金を受け取ることができません。
ただし、一般的には退職金と言えば正社員に向けて用意されているケースが多く、パートやアルバイトに対しても退職金を支給するケースはまだまだ少ないのが現実です。パートタイム・有期雇用労働法により、正社員と同等の業務内容で働いているパートに対して、正社員にだけ退職金を支給し続けることが不合理な待遇差にあたり違法であると判断される可能性があります。自分の業務内容や責任の範囲が正社員とほぼ同じだと感じる場合は、就業規則を確認したうえで、一度会社に待遇差の理由を説明してもらうことも検討できます。
参考;厚生労働省 パートタイム・有期雇用労働者の雇用管理の改善のために
そもそも今の職場に退職金制度があるかどうか知りたい場合は、就業規則や雇用契約書等を確認するのが確実ですが、難しい場合は上司などを通して職場に直接確認
まとめ|パートでも制度を正しく理解すれば給付を受けられる可能性がある
退職給付金は、正社員だけの制度ではありません。雇用保険や健康保険への加入状況によって、パートでも失業保険や傷病手当金を受け取れる可能性があります。自分が対象になるかどうかを判断するには、まず給与明細で保険料の天引き状況を確認し、加入期間や退職理由に応じた条件を一つずつ照らし合わせていくことが大切です。
- 退職給付金は正社員限定の制度ではなく、パートでも雇用保険・健康保険の加入状況によって対象になる
- 失業保険(基本手当)は、週20時間以上の所定労働時間と31日以上の雇用見込みで雇用保険に加入し、被保険者期間が原則12か月以上あれば対象になる可能性がある
- 傷病手当金は、健康保険に本人加入している場合に対象となり、扶養内パートは対象外になる
- 退職金は会社の就業規則次第で、制度自体がなければパートも正社員も受け取れない
- 自分が対象かどうかは、まず給与明細で保険料の天引き状況を確認するところから始めるとよい
- 制度が複雑で判断に迷う場合は、退職前にハローワークや協会けんぽへ相談しておくと申請漏れを防ぎやすい
ただし、退職給付金は書類手続きや医師とのやり取りが複雑で、条件の確認や申請の手続きを自分一人で進めるのは負担に感じる方も少なくありません。自分がどの給付金の対象になるのか、いくらぐらい受け取れる可能性があるのか気になる方は、退職コンシェルジュのサポートページで詳しい内容を確認してみてください。
給付金がいくらもらえるか
知りたい方
給付金サポートを
ご検討中の方
評判・口コミ
給付金がもらえる
転職支援を活用する方
1年以上ご通院を続けている方
もらえる給付金ラボ
退職コンシェルジュについて 
