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傷病手当金の期間は延長できる?通算1年6ヶ月の正しい仕組みと“延長に見える理由”を徹底解説

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傷病手当金を受給していると、「この期間はいつまで続くのか」「延長はできるのか」と不安に感じる場面が少なくありません。実際、病気やケガが長引くほど支給期間が気になり、ネット上では“延長できた”という体験談も散見されます。しかし制度の仕組みを正しくたどると、傷病手当金には延長制度そのものがなく、誤解が生まれやすいポイントがいくつもあります。

そこで本記事では、支給期間の基本である「通算1年6か月」の意味から、延長されたように見える理由、期間が迫ったときの確認事項まで、順を追って整理します。まずは、傷病手当金の支給期間の仕組みから解説していきます。

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傷病手当金の役割と「期間」の基本ルール

傷病手当金は、病気やケガで働けない状態になったときに、一定期間の生活を支えるための給付です。

全国健康保険協会(協会けんぽ)の説明でも、傷病手当金は「病気やケガで会社を休み、十分な報酬が受けられないときに支給される給付」とされています。

参考:全国健康保険協会 「病気やケガで会社を休んだとき(傷病手当金)」

多くの人が気になるのが「傷病手当金はいつまで、どのくらいの期間もらえるのか」「延長はできるのか」という点です。

制度の説明を読むと「支給開始日から通算1年6か月」という言い方が出てきますが、ここを正しく理解していないと、

  • もうすぐ終わると思っていたのに、まだ余裕があった
  • 逆に、まだもらえると思っていたのに、いつの間にか上限に達していた

というズレが生まれかねません。

支給期間はカレンダーではなく「支給された日数の通算」

協会けんぽなどの解説では、傷病手当金の支給期間について

「支給を開始した日から通算して1年6か月まで」と案内されています。

ここでいう「通算」は、単純なカレンダーの経過ではなく、次のような考え方です。

支給期間が減っていくのは「支給があった日」だけ

区分 具体的な状態 支給期間の扱い
傷病手当金が

支給される日

  • 医師が労務不能と判断している
  • 実際に会社を休んでいる
  • 給与が十分に支払われていない日
支給期間としてカウントされる

(通算1年6か月に近づく)

傷病手当金が

支給されない日

  • 復職して通常どおり働いている期間
  • 有給休暇で全額の給与が出ている期間
  • 待期期間がまだ完成していない段階
支給期間としては

カウントされない

この「支給があった日だけがカウントされる」という点が、のちほど説明する「延長されたように見える」原因になります。

通算期間のイメージをつかむための図表

以下は、同じ病気(同一疾病)で休職・復職・再休職をしたケースのイメージです。

期間 状態 傷病手当金 支給期間の消費 残り支給可能期間
2025/1/1〜2025/3/31 休職(労務不能) 支給あり 約3か月消費 残り約15か月
2025/4/1〜2025/7/31 復職(労務可能) 支給なし 0か月(消費なし) 残り約15か月(変動なし)
2025/8/1〜2026/2/28 再休職(労務不能) 支給あり 約7か月消費 残り約8か月
(合計消費) —— —— 消費合計:10か月 残り:約8か月

 

同じ病気が原因の休職であれば、このように

  • 支給があった期間だけが減り
  • 働いている期間は減らない

というカウントの仕方になります。

「延長」はできないが、長くもらえているように見えやすい

ここまで見ると、「復職している期間は減らない」という仕組みのため、

実際のカレンダー上では数年にまたがって傷病手当金を受け取っているケースもありえます。

ただし、これはあくまで

  • 休職中に支給された日数の合計が
  • 上限の約540日に達するまでは

という話であり、支給期間そのものを延ばす仕組みがあるわけではありません。

協会けんぽのリーフレットなどでも、「通算1年6か月まで支給」と案内されており、そこを超えて特例的に延ばす取り扱いは想定されていません。

参考:全国健康保険協会「傷病手当金」

この「延長はできないが、長く感じることがある」というギャップが、多くの誤解の出発点になっています。

傷病手当金の支給期間(通算1年6か月)の基本理解

  • 傷病手当金の期間は「支給開始日から通算1年6か月」が目安
  • カウントされるのは「支給された日数」であり、復職期間などは減らない
  • 制度として期間を延ばす仕組みはなく、通算の考え方によって長く感じられることがある

この前提を押さえたうえで、第2分割では「支給期間が残り少なくなったときに必ず確認したいポイント」と「終了後の制度」について整理していきます。

相談先が分からない場合は

自分のケースで「どれくらい支給期間が残っているのか」「同じ病気としてカウントされるのか」は、人によってかなり状況が違います。

一人で計算するとズレやすい部分でもあるので、不安があれば一度専門家などに相談しながら整理してみてください。

支給期間が残り少なくなったときに必ず押さえたい3つの確認

第1分割で見たように、傷病手当金は通算1年6か月が上限であり、期間そのものを延ばす仕組みはありません。

そのうえで、支給期間が残りわずかになってきたときには、次の3点を必ずチェックしておくことが重要です。

1つ目:今の支給が「同一疾病」として扱われているか

まず前提となるのが、「同一疾病かどうか」です。

  • 診断名が少し変わっていても、原因や症状のつながりから同一と判断される場合
  • 一見似た症状でも、原因が異なるとして別の病気と判断される場合

など、判断は医師の診断と保険者(協会けんぽ・健保組合)の見解によって変わります。

同一疾病と扱われるなら、支給開始日からの通算で1年6か月が上限になりますし、別疾病と扱われるなら、新しい支給開始日が設定されるケースもあります。

そのため、「いま受けている傷病手当金が以前と同じ病気として扱われているのか」は、支給期間を考えるうえで最優先の確認ポイントになります。

2つ目:支給済み日数と残り日数を正確に把握できているか

「通算1年6か月」と言われても、自分で日数を数えるのはなかなか大変です。

休職と復職を行き来している場合や、途中で有給や公休を挟んでいる場合など、カレンダーと実際の支給日数がズレやすくなります。

もっとも確実なのは、加入している健康保険(協会けんぽや健康保険組合)に問い合わせて、

  • これまで何日分支給されているのか
  • 現時点でどれくらい残っているのか

を確認することです。

制度上の上限は同じでも、「実際にどれくらい使い切っているか」は人によって大きく違います。

3つ目:復職・退職・転職など今後の働き方の方針

支給期間が終盤に差しかかると、

  • このまま休職を続けるのか
  • 復職を目指すのか
  • 退職や転職を視野に入れるのか

といった働き方の判断も必要になります。

特に退職を検討している場合には、

  • 退職後も傷病手当金を継続して受けられるか(継続給付の要件を満たすか)
  • その後、失業給付(雇用保険)を使えるタイミングはいつになるか
  • 健康保険や年金の加入先をどうするか

といった論点が絡んできます。

支給期間が切れる直前になって慌てないよう、早めに全体像を押さえておくことが重要です。

支給期間終了後にも使える公的な制度

傷病手当金の支給期間が終了しても、状況に応じて利用できる公的制度はいくつかあります。ここでは代表的なものを簡単に整理します。

障害年金

病気やケガによって日常生活や仕事に大きな制限が出ている場合には、障害年金の対象となる可能性があります。

厚生労働省は、障害年金について「病気や事故により生活や仕事などが制限されるようになった場合に、生活を支えるための年金」と説明しています。

参考:厚生労働省「年金制度の仕組みと考え方」

失業給付(雇用保険の基本手当)

傷病手当金が終わったあと、働ける状態まで回復し、求職活動ができるようになれば、雇用保険の基本手当(いわゆる失業給付)が候補に入ってきます。

基本手当は、離職後の生活を支えながら再就職を支援する制度として、ハローワークインターネットサービス等で案内されています。

参考:ハローワークインターネットサービス「基本手当について」

自立支援医療(精神通院医療)

メンタル疾患などで通院治療を続ける必要がある場合、医療費の自己負担を軽減する「自立支援医療(精神通院医療)」が利用できることがあります。

参考:厚生労働省「障害者福祉」

高額療養費制度

入院や治療が長期化し、医療費の自己負担が高額になった場合には、高額療養費制度により負担の一部が戻ってくる仕組みがあります。

参考:全国健康保険協会「高額な医療費を支払ったとき(高額療養費)」

支給期間が終盤のときに押さえるべきポイントと利用できる制度

  • 支給期間の終盤では「同一疾病かどうか」「支給済み日数」「今後の働き方」の3点を必ず確認しておきたい
  • 傷病手当金が終わっても、障害年金・失業給付・自立支援医療・高額療養費制度など、状況に応じて利用できる制度がある
  • どの制度をどう組み合わせるかは、健康状態や働けるかどうかで大きく変わる

制度の組み合わせに迷ったら

「傷病手当金が終わったら何を使えばいいのか」「退職してから手当が切れるのが怖い」と感じる方も多いと思います。

複数の制度をどの順番で使うかによって、手取りの時期や金額は変わります。自分だけで考えるのが難しいと感じる場合は、早めに専門家や窓口に相談して、選択肢を整理しておくと安心です。

なぜ「延長されたように見える」のかをケースで整理する

ここまで、「支給期間は通算1年6か月」「期間そのものを延ばす仕組みはない」という前提を見てきました。

それでも実務の現場では、「自分は延長してもらえた」「2回目の1年6か月が始まった」といった声が出てくることがあります。

この違和感の多くは、次のようなケースに分解して考えると整理しやすくなります。

復職期間が長く、カレンダー上の期間が長く見えるケース

一度数か月休職して傷病手当金を受け取り、その後半年〜1年ほど復職したのち、同じ病気で再び休職するパターンです。

この場合、

  • 最初の休職で数か月分の支給期間を消費
  • 復職期間は消費ゼロ
  • 再休職でまた支給期間を消費

という形で、実際に支給された日数はまだ上限に達していないのに、カレンダー上では支給開始から数年が経っているように見えます。

制度を知らないと「こんなに長くもらえるのだから、延長してもらえたのでは?」という誤解につながりやすいポイントです。

別の病気として扱われ、新しい支給開始日が設定されるケース

最初は腰痛で傷病手当金を受けていた人が、しばらくして全く別の原因による病気(たとえば内科系の疾患や別の部位のヘルニアなど)で働けなくなった、といったケースもあります。

このとき、医師の診断や保険者の判断により「先の腰痛とは別の疾病」と扱われれば、新たな傷病として改めて支給が始まることがあります。

本人から見ると、

  • 「腰痛で1年近くもらった」
  • 「その後、別の病気でまた1年近くもらえている」

という形になり、「トータルで見れば延長された」と感じてしまうわけです。ただし制度上は、あくまで「別の病気に対するそれぞれの給付」が行われているに過ぎません。

退職後の継続給付で、結果的に長く感じるケース

退職後も一定の条件を満たしていれば、在職中の傷病手当金を「継続給付」として受け取ることができます。

退職後の継続給付は、健康保険法上もともと認められている仕組みであり、在職中からの支給をそのまま引き継ぐイメージです。

ポイントは、

  • 退職したからといって支給期間が増えるわけではない
  • 在職中の「残り支給可能期間」を、そのまま退職後にも使うだけ

という点です。

退職したタイミングで支給が続くと、「退職したことで延長してもらえた」と感じやすいですが、実際には使い切っていなかった残りの期間を後ろ側で使っているだけ、という整理になります。

支給期間の管理は日数ベースで行われていることが多い

支給期間が「1年6か月」と表現されるため、月単位でざっくりと考えがちですが、実務上は日数(最大約540日)で管理されているケースが一般的です。

  • 月の途中から休職した
  • 月末で復職した
  • 途中で有給や公休が混ざっている

など、実際の状況は月ごとにきれいに区切れないことが多いためです。

このため、「まだ半年くらいは残っているはず」と思っていても、日数ベースで計算すると想定より早く上限に達している、ということも起こり得ます。

短時間就労・軽い業務に就いている場合の注意点

最近は、フルタイム復職ではなく、短時間勤務や軽作業から段階的に仕事へ戻るケースも増えています。

このような場合、

  • 医師が「この範囲なら就労可能」と判断しているか
  • 会社はどのような前提で勤務を認めているか
  • 保険者は労務不能かどうかをどう評価するか

といった要素によって、傷病手当金の支給可否や支給期間のカウントのされ方が変わる可能性があります。

短時間だから安全とは言い切れず、就労実態によっては「就労可能」と見なされて支給対象外となることもあります。

このあたりは個別判断の色合いが強いため、医師や会社、保険者の窓口とも相談しながら進めるのが現実的です。

健康保険が変わった場合(転職など)の考え方

転職や退職後の再就職によって、協会けんぽから健康保険組合へ、あるいはその逆へと加入先が変わることがあります。

このときも、同じ病気であれば、原則として「通算1年6か月」という考え方は維持されます。

ただし、

  • どの健康保険の資格期間に発症しているか
  • どの保険者がどの期間の給付を担当するか

など、実務的な整理が必要になることも多く、判断が分かれやすいポイントでもあります。

疑問がある場合は、それぞれの保険者に事情を伝えたうえで確認するのが確実です。

全体の整理:延長はできないが、仕組みを理解すれば迷いにくくなる

ここまでの内容を改めて整理すると、傷病手当金について押さえておきたいポイントは次のようになります。

ポイント 内容
支給期間の上限 支給開始日から通算1年6か月(最大約540日)が目安。
期間のカウント方法 カウントされるのは「傷病手当金が支給された日数」のみ。

復職期間など、支給がない期間は減らない。

延長に見える理由 制度として延長はできないが、以下の状況で“延びたように見える”ことがある:

・再休職

・別疾病として扱われるケース

・退職後の継続給付

期間が終盤のとき 同一疾病かどうか、支給済日数、今後の働き方(復職・退職など)を早めに確認することが重要。
終了後に使える制度 状況に応じて以下が選択肢となる:

・障害年金

・失業給付(雇用保険)

・自立支援医療

・高額療養費制度

傷病手当金は、制度の枠組み自体はシンプルに見えますが、実際には「その人の働き方」「病気の経過」「退職・転職の有無」などによって、かなり複雑に見えやすいテーマです。

具体的な状況に応じて整理したい場合は

自分のケースで「あと何日残っているのか」「退職した場合にどうなるのか」「他の制度とどう組み合わせればいいのか」

といった点を整理したい場合は、加入している健康保険やハローワーク、年金事務所などの公的窓口に早めに相談してみてください。

この記事の内容を前提知識として持っておくと、窓口での相談内容も整理しやすくなり、「結局どうすればいいのか」が見えやすくなるはずです。

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この記事の監修者

萩原 伸一郎

CREED BANK株式会社

ファイナンシャルプランナー(FP)資格を持ち、東証一部上場企業に入社。資産形成、資産運用、個人のライフプランニングなどを経験。これまでに10,000名以上の退職後のお金や退職代行に関する相談などを対応した経験から、社会保険や失業保険についてわかりやすく解説。

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