退職代行サービスを使った際、有休消化や退職金はどうなる!?
退職代行サービスを使用した場合、年次有給休暇の取得はどうなるのでしょうか。

法律的には退職時にあなたが持っている有給休暇を使い切ることは可能です。流れとしては、以下のようになります。
まず、基本的に年次有給休暇はいつ使っても構わない労働者の権利です。勤務先企業の使用者には、年次有給休暇を労働者から申請された場合、拒否する権利は基本的にありません。
退職代行サービスを利用する際には、自分が使える有給休暇の正確な日数は不明でも、おおよその有給休暇の取得可能日数と実際に取得したい日数を伝えるとスムーズです。相談を受けた退職代行サービスは勤務先企業に退職の意思を伝達する際、有給休暇取得の希望をあわせて伝えます。
また、このほか、退職金や未払い残業手当があれば、それについても合わせて早急に支払うよう使用者に対して伝達します。
年次有給休暇と時季変更権
なお、年次有給休暇の取得に際し、使用者側(会社側)の権利として「時季変更権」というものがあります。
これは、労働者が指定日に有給休暇を取得するとその会社の事業運営も支障がある場合に限り、「有給休暇の取得日を変更してほしい」と相談するための権利です。つまり、退職日がすでに決定している場合は、「時季変更権」によって退職日以降に有給休暇を取得させることはできないため、退職者は原則として有給休暇すべてを使い切ってから退職することが可能になります。
ただ、時季変更権とは別に、急な退職に際し、退職日を優先するのか、それとも有給休暇の消化を優先するのか、判断を求められる事例は少なからずあります。退職代行サービスを利用した退職でもこのような判断を迫られることはありえます。
これは仮の例ですが、今日が24日だとします。そして、来月1日から新しい会社に行くことが決まりましたので、今の勤務先を退職する意思を固めた状況としましょう。
そこで今月末31日までに退職しようと考え、10日ある年次有給休暇を消化しようとするとどうにも月内で消化は無理です。出社日だけ積算すると法定休日・所定休日(次節で解説)を除いた出社日は6日のみという場合、残り4日をどうするかというような場合です。
この場合、退職日を優先するのであれば31日に退職となり、消化しきれなかった有給休暇は原則的に消滅することになります。
代休分の賃金請求は可能?
休日出勤の代休が残っている場合、法定休日・所定休日分の割り増し賃金を請求するように求めることは可能です。残業代の未払い分についても同様です。
では、この法定休日と所定休日とはどのようなものでしょうか。
労働基準法第35条では、使用者は労働者に対し、毎週少なくとも1回(あるいは4週間に4回)の休日を与えなければなりません。この法定外休日(所定休日)労働基準法上、休日は週1日与えればよいことになっています。しかし、最近は週休2日制を採用する企業も多く、これは労働基準法第32条による労働時間の上限から来ています。同法では労働時間を1日8時間・週40時間と定めています。
つまり、労働者が1日8時間働いた場合、5日間出勤した時点で労働時間は40時間の上限に達してしまいます。労働者をこれ以上の時間、働かせることができないため、1日8時間労働を就業規則として採用している企業では、週休を2日に設定しています。このように法定休日以外に会社が労働者に与える休日のことを、「法定外休日(所定休日)」と呼びます。
労働基準法第37条によると、使用者が時間外や休日に労働者を働かせた場合、割増賃金の支払い義務が生じます。なお、注意が必要なのですが、法定外休日(所定休日)の賃金の割増率は、法定休日のそれとは異なり、週40時間を超えた時間外労働として扱われる点です。
| 割増賃金 | 賃金の割増率 |
| 時間外労働(週40時間を超える残業) | 2割5分以上 |
| 法定休日の休日労働 | 3割5分以上 |
| 法定外休日(所定休日)の休日労働 | 2割5分以上 |
この法定外休日(所定休日)および法定休日の出社記録、そして残業や早出の証拠となる出社・退勤記録が手元にあるのであれば、それを元に休日出勤分の賃金を請求することが可能になります。
出社・退勤記録として、タイムレコーダーの記録(タイムカード)をコピーしておくと良いでしょう。なお、最近ではスマートフォンの万歩計アプリにGPSと連動して位置情報を日時とともに記録できるものがあるので、その位置情報と日時を請求する証拠として使用することも可能です。また、勤怠情報を会社側からもらえるように依頼しても良いでしょう。
退職金の請求について
退職代行サービスを利用した場合でも、退職金を請求することは可能です。
ただし、退職金には、勤続年数に応じた税制上の優遇措置があります。定年退職など退職時に会社側からこのような税制上の優遇措置について、あらかじめ説明を受ける時間があれば、きちんと自分で処理することで対応できると思います。
しかし、退職代行サービス等を利用した退職では、会社側から退職金について税制上の措置などの説明を受けられないこともあるので、専門家に、適切な税務上の措置として何が必要になるのか、何をすべきかをきちんと聞くとよいでしょう。
退職をするときには、このように有給休暇の消費や退職金などについて不安を感じている人ばかりです。まず、専門家の話を聞くことも大切です。ポイントは一人で悩まないことです。相談窓口などを有効活用して、自分自身を追い詰めないようにしましょう。
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