代表的な「違法派遣」とは?
まず、違法派遣にはどのようなものがあるのでしょうか?
- 派遣スタッフを禁止業務に受け入れて従事させること
- 派遣就業が禁止されている無許可事業主(派遣免許をもっていない事業主)がスタッフ派遣の受け入れを行うこと
- 派遣期間の制限に違反した状態でのスタッフ派遣を行うこと
- いわゆる偽装請負等
ここであげた4つの違法派遣についてそれぞれ見ていきたいと思います。
派遣労働者を禁止業務に受け入れて従事させること
これには以下の業種が該当します。
- 港湾運送業務
- 建設業務
- 警備業務
- 病院等における医療関連業務
ここにあげた職種に派遣された場合、違法派遣に該当します。
ただし「病院等における医療関連業務」については、紹介予定派遣の場合や産前産後休業・育児休業・介護休業等を取得する労働者の代替の場合等は派遣が可能です。
派遣就業が禁止されている無許可事業主(派遣免許をもっていない事業主)がスタッフ派遣の受け入れを行うこと
派遣労働は免許事業(許可制)ですので、派遣免許を取得していない企業から派遣受入をおこなってはなりません。なお、許可事業主と届け出を行っている事業所については、厚生労働省が運営する「人材サービス総合サイト」にすべて掲載されていますので、そこで確認することができます。
人材サービス総合サイト
https://www.jinzai-sougou.go.jp/
派遣期間の制限に違反した状態でのスタッフの派遣を行うこと
派遣期間の制限は二種類ありますので、注意が必要です。
- 派遣スタッフ個人単位での期間制限
- 事業所単位での期間制限
「派遣スタッフ個人単位での期間制限」とは、派遣スタッフは、同一の派遣先の事業所において通算3年までしか勤務することができません。つまり同じ派遣スタッフが例えば3年半にわたって同一の派遣先事業所で勤務してしまうと違法派遣になります。ただし、これには例外があり、同じ企業でも事業部や別の支社など事業所を変えれば派遣を継続できます。
「事業所単位での期間制限」は、派遣先となる同一の事業所は、3年を超えて派遣スタッフを受け入れることは原則的にできないことがあるということです。例えばA社の派遣スタッフBさんがC社に1年派遣された後、次の派遣スタッフDさんが派遣されたとします。Dさん自身は「派遣スタッフ個人単位での期間制限」上は3年間勤務可能のはずですが、A社からC社へのスタッフ派遣期間がすでに1年経過しているため、Dさんが派遣されているC社の事業所では2年までしか勤務できません。この期間を超えてC社の同じ事業所でDさんが勤務すると違法派遣になってしまいます。
また、派遣元で無期雇用されていればやはり事業所側の受け入れ期間に制限はありません。
いわゆる偽装請負等
スタッフ派遣の場合は、派遣元事業主の義務として、健康保険や厚生年金保険への加入、所得税法上の源泉徴収を行う必要があります。どころが、このような法による手順を踏まずにスタッフ派遣や職業紹介を行い、派遣先事業主の元で形式上、請負の形態で働かせることを偽装請負と呼びます。このように実態は派遣労働であるのに、業務委託契約とすることで、労働災害などへの責任を取らないなど社会問題化しています。
違法派遣に対する「労働契約申込みみなし制度」とその影響
このような違法派遣があった場合、派遣先事業主が派遣スタッフに直接雇用の申込みを「した」とみなす制度が、この「労働契約申込みみなし制度」なのです。
この際、その派遣スタッフが承諾した際には必ず直接雇用化しなければいけません。違法行為に対する制裁という見方もできるかもしれません。
なお、違法派遣発生後は、この「労働契約申込みみなし制度」に基づく「労働契約申し込み」状態が継続されていると見なされます。ただし、申し込みができる期間には決まりがあり、「申し込みから1年間」と定められています。例えば、違法な状態での派遣期間が2019年7月31日までであれば、翌2020年7月31日までが有効となります。この期限を過ぎると「労働契約申し込み」状態は消滅します。また、労働契約申し込みを拒否した場合にもその時点で消滅します。
この影響として、同一事業所に派遣されたスタッフが、3年ごとに同じ事業部内の違う課に異動して見かけ上異動させつつも同一事業所で勤務を継続しているような案件は、法の運用上、グレーゾーン化してしまい、制度の対象となる可能性がある、と考えられます。
また、労働環境の良い職場に派遣されていてそこで長く派遣スタッフとして働きたいという人は、法を遵守するためには原則3年で違う事業所や企業への派遣、あるいは派遣終了を選ぶこととなってしまうため、そのような派遣スタッフには不利な制度かもしれません。
派遣元が無期雇用してくれれば、あるいは派遣先が直接雇用してくれれば解決するはずです。しかし派遣元は派遣先がなくなった場合でも派遣スタッフに給与等の支払いのリスクがあり、また、派遣先は正社員雇用のコストを低減するために派遣スタッフという形式を採っているわけですから、現状そのような流れにはなっていないのが難しい所です。
違法派遣と分かった段階で、労働契約申し込みみなし制度について派遣先事業主が対応するつもりがない場合や、どうしても自力で対応が困難な場合は、弁護士等に相談したほうが良いでしょう。
正社員採用だと思ったのに「業務委託契約」だった場合
最後に、最近、やはり問題が多発している契約形態の問題について触れてみます。
人材募集の告知を見て応募したら、実は「正社員」採用ではなく、「業務委託契約」だった――ということがあります。美容院やITデベロッパーなどをはじめ、さまざまな職種でこの問題が発生しているようです。
このような場合に業務委託契約を結んでしまうと、企業の命令に従って労働力を提供したのに、残業代が支払われなかったり、仕事でケガや病気になったとしても労災の補償を受けられなかったり、簡単に契約を打ち切られてしまうといったトラブルになる可能性があります。また、今まで解説してきた派遣元事業主の違法派遣ではないので、「労働契約申込みみなし制度」の対象になりません。
あくまでも正社員としての雇用を求めるのであれば、雇用条件や労働条件を明記した「雇用契約書」「労働条件通知書」を取り交わしておくと安心です。これを自力で対応できない場合は、弁護士をはじめとする専門家等に相談したほうがよいでしょう。
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